津軽エリアの自治体で現在、さまざまな活動内容で「地域おこし協力隊」の募集が行われている。
総務省の事業の一環として推進する「地域おこし協力隊」は、都市部から地方に移り住み、その地域の活性化のためにさまざまな活動をする人を受け入れる制度。現在、全国で886の自治体で3978人が隊員として活動し、青森県内では14の自治体で36人が活動している(2016年4月)。
弘前市では、藩政時代から350年続く「津軽打刃物(うちはもの)」という伝統的な鍛造技術の後継者候補として地域おこし協力隊を募集している。津軽打刃物はリンゴのせん定ばさみにも応用されており、リンゴ生産量日本一の弘前市の生産者の栽培技術を支えている。
世界自然遺産・白神山地を有する西目屋村では、森林資源を活用した木質バイオマスエネルギー事業に着手しており、森のエネルギー研究所(東京都羽村市)と共同で「薪」を活用した「地域熱供給システム」構築の協力者を募集している。そのほか、有害鳥獣による農作物被害対策として鳥獣害対策実施隊員も募集している。
平川市では秋田県との県境に位置する碇ヶ関地域で、2年前まで保育園だった施設を活動拠点とし、碇ヶ関地域の活性化を図るために活動する地域おこし協力隊を募集している。担当者は「地域住民を巻き込み、地域おこし協力隊隊員のアイデアで自由な使い方に期待したい」と話す。
田舎館村は近年、イチゴ作りやイチゴのPRに力をいれており、昨年は「いちごフェスタ」といったイベントを企画した。イチゴ作りだけでなく同村のPRなども行う地域おこし協力隊を募集。「田んぼアート」に続く観光コンテンツ化を目指すという。
黒石市では特産品開発と生産者の所得向上を目指し、同市産のニンジンやトマト、アスパラガスを使った「黒石素材のポタージュスープ」を2016年に開発した。今回の募集では、新たなポタージュスープの開発や食ビジネスの起業家として地域おこし協力隊を募集している。
募集要項や条件は各自治体のホームページで確認できる。