津軽西海岸の旬の魚を提供するイベント「白神の魚 大魚食堂」が6月27日、ホテルニューキャッスル(弘前市上鞘師町)で開催された。市内外から集まった160人以上の参加者が新鮮な魚介に舌鼓を打った。
会場で行われたマグロ解体ショー。解体されたマグロはそのまま、刺し身として振る舞われた
同イベントの主催は「白神の魚普及実行委員会」。「白神の魚」とは深浦町や鰺ヶ沢町を中心に、津軽半島西海岸、さらに岩木川などの河川流域で捕れた魚を指す。この一帯には、世界自然遺産白神山地のブナ林から多くのミネラル分を含んだ水が流れ込むことでプランクトンが発生し、さまざまな魚介類が豊富に育まれている。それら多くの魚介類を弘前市内の飲食店で提供し、消費を促進していくのが同委員会の目的。今回のイベントは昨年9月以来2回目の開催となる。
特に6月は津軽西海岸に最も多くの魚が水揚げされる時期で、身が肥えて脂の乗った旬の魚が和洋さまざま、バラエティー豊かに調理された。市内でバーを経営する小山内浩治さん(53)は「身近な魚にもこれだけの味付け・調理法があることに感心した」と話す。「自分の店でもお客さんに白神の魚を味わってもらいたい。塩焼きや煮付けなど、漁師さんたちが普段食べている料理を出せれば」とも。
会場ではマグロ解体ショーや、くじ引きによるグルメ抽選会なども行われた。同日、にぎりずしコーナーですしや巻物を振る舞った市内のすし・小料理店「太助」の店主・太田主税さん(54)は「握り用にヒラメ、タイ、イカ、マグロを140人分用意したが、開始から30分でなくなってしまった」と話す。
「これまで津軽西海岸の魚の多くは一度青森市の市場に出て、そこから弘前に流通していた。こうしたイベントを通じて、白神の魚が弘前に直通され親しまれるようになれば、やがては県外から訪れたお客さんたちに自信を持って振る舞える観光資源となるだろう」とも。