弘前のギャラリー「スペースデネガ」(弘前市上瓦ヶ町)で11月30日、「MORE THAN プロジェクト Local Talk Jam CARAVAN in Hirosaki」が開催された。
日本の商材やサービスを海外へ売り込む経済産業省が行う支援プロジェクトの一環で、全国10カ所を巡り、地元のクリエイターと交流を図り、新しい展開や世界への情報発信などを考える。1部ではオープニングトークとトークセッションを行い、2部では参加者同士の交流会を行った。
19時から始まった「プロデュース・デザインをすることから見える可能性」と題したトークセッションでは、セレクトショップ「green」(弘前市代官町)店主の小林久芳さんやリンゴの木工品などを作る木村木品製作所(弘前市千年)の木村崇之さんらが登壇。小林さんは津軽こぎん刺しの販売事例を紹介し、「古い物だと思っていた民芸品でも見せ方を変えるだけで商材になる」と話した。
「生産者の目から見る今の青森と世界への挑戦」と題したトークセッションでは、津軽塗のアクセサリーを作る漆雫の北畠栄理子さんや、おりかさ蜜ツ星農園の成田晃さんが、それぞれの経験談を話した。「新聞を見て後継者不足だった津軽塗の世界に27歳で入った。可能性がまだある業界だった」と北畠さん。成田さんは「台湾での青森リンゴは評価が高く、日本よりも高額で取引されることもある」と話す。
交流会では、参加した60人が名刺を交換したり、仕事の話をしたりする姿があった。参加した弘前在住の30代男性は「家具販売の仕事をしており、どうやって物を売っていけばいいのか参考になる話が聞けた。知らない取り組みの紹介などもあり、とても興味深かった」と話す。
司会を務めたロフトワークの秋元友彦さんは「弘前は人口が18万人以下の都市だが、一緒に仕事をしたい人や思いのある人がいることが大切。そこから新たな仕事やつながりを生み出すことができれば」と話す。