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弘前で新しい漆表現「透ける津軽塗」 ねぷたに着想し、構想に10年

新商品「透ける津軽塗」のフロアランプ

新商品「透ける津軽塗」のフロアランプ

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 津軽塗製造会社「たなか銘産」(弘前市土手町、TEL 0172-33-4649)が12月18日、新商品「透ける津軽塗」を発表した。

暗いところで輝く「透ける津軽塗」

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 「透ける津軽塗」は、透過性をもつ漆素材「透漆(すきうるし)」 を応用した漆表現。光を透過することで、漆の模様がステンドグラスのように浮かび上がる。4代目社長の田中寿紀さんは「構想に10年。ようやく発表することができた」と話す。10月6日には特許技術を出願したという。

 田中さんによると、「透漆」は昔から使われている漆で新しいものではなく、透明な下地に塗るという発想が今までなかったという。「青森にはねぷた・ねぶたがある。ねぷた・ねぶたは昼に見る美しさもあるが、夜になり、内部の明かりから照らされた幻想的な美しさは格別。『透ける津軽塗』は、もしかするとねぷた・ねぶたが原点なのかもしれない」と田中さん。

 2021年には津軽塗の新デザイン商品として「さわるツガルヌリ」を発表していた同社。「透ける津軽塗」は「さわるツガルヌリ」と共に開発を進めていた商品で、「時代に合わせ変化させていくことこそ伝統」という同社の理念によって生み出された。

 同社の旗艦店として12月12日にリニューアルした「津軽塗たなか」では、「透ける津軽塗」の商品化試作第1弾となるフロアランプを展示。フロアランプの受注販売は受け付けるが、BtoBを考えた商品開発やブランド展開も考えているという。「まずは実物を見てもらいたい」と話す田中さんは「さまざまな展開やいろいろなアイデアはあるが、大事に育てていきたい」と意欲を見せる。

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