弘前れんが倉庫美術館に隣接するカフェ「CAFE&RESTAURANT BRICK(ブリック)」(弘前市吉野町、TEL 0172-40-2775)が12月5日、奈良美智さんの誕生日に合わせ、店内で使っているグラスのいわれをSNSで明らかにした。
明らかになったのは、同店で提供する水のグラスが、今から17年前の2006(平成18)年に開催した展覧会「YOSHITOMO NARA + graf A to Z」で販売したデザインカップで、弘前の「六花酒造」(宮地川添)とのコラボで実現したカップ酒「純米酒A to Z Cup House」で使われた物ということ。今年4月に六花酒造が移転した際、当時製造したグラスが120個発見され、同店に寄贈したという。
グラスは、寝ている犬「パップキング」と並んでいる3人の女の子、グラスを待った女の子が笑っているイラストの3種があり、イラストの裏には展覧会のロゴが描かれている。同店の公式SNSは、12月5日が奈良美智さんの誕生日だったことから、誕生日を祝う形で発表した。
「ブリック」広報担当の奈良岡真弓さんは「A to Z」を主催した実行委員会の一人で、同グラスの広報担当者だった。「当時のカップがこんなに残っていたことがうれしく、光栄な申し出がうれしかった。使用を快諾してくれた奈良美智さんには感謝しかない」と奈良岡さん。
水の提供をデザインカップで始めたところ、販売場所を聞かれたり、懐かしがったりする客がいるという。奈良岡さんは「『かわいいですね』といったお客さまとの会話が進むようにもなった。写真を撮るお客さまも多くいる。デザインカップが当店で過ごした思い出の一つになれたらうれしい」と笑顔を見せる。