青森県黒石市の商店街などを中心に2月1日、恒例の「旧正マッコ市」が行われた。
毎年2月第1日曜の早朝から行われる名物行事。「マッコ」は津軽弁で「おまけ」や「お年玉」の意味を持つ。「旧正マッコ市」の発祥には諸説あり、日ごろの感謝とお礼がしたいと黒石の商人たちが旧正月の買い物客に多くの景品を配ったのが始まりとされるが、史料はほとんど残っていないという。
マッコ市当日は、同市内の人口が倍増すると言われるほど朝から渋滞やマッコ市参加店では開店前から行列ができる。参加店は正月のようなセールや福袋の販売を行い、買い物客を対象に「マッコ」(日用品や食品などの詰め合わせ箱)を用意。ドラッグストアなどのマッコは人気が高く、5時の開店から1時間も経たず、用意した1000個を完売した店舗もあった。
気温マイナス2度の小雪が舞う中、朝4時30分から並んでいたという同市の有馬敬人さんは、約2万円の買い物をした。抽選会で当たるというマッコに挑戦しに行った妻の戻りを子どもと待っていた。「この後はディスカウントショップに行く予定。目的のマッコが手に入ればいいが」とつぶやく。
同市の横町広場では恒例の「福まき」が開催された。朝5時に行われた1回目の「福まき」には、スキーウエアなどを着込んだ約500人が集まり、特設した高さ5メートルほどの櫓(やぐら)からまかれる和菓子や商店の割引券などが入った袋に手を伸ばした。落花生や割引券などの入った「福」を5つ手に入れた青森市から来た親子は初めての参加。「来年もまた来たい」と笑顔を見せていた。