「きものセンターゴルフ練習場」(弘前市小沢井沢、TEL 0172-88-1234)が3月10日、開業45周年記念イベントを開催する。
「きものセンター」(南瓦ケ町)創業者の足立義範さんが同日、90歳を迎えることで行われる記念イベント。当日は紅白まんじゅう90個を来場者に先着配布するほか、回数券購入者に回数券を進呈する(12日まで)。足立さんは「企画イベントは開業初。家族からやろうと声がけがあり、引き受けることにした」と話す。
足立さんは1933(昭和8)年生まれで岐阜県各務原市出身。18歳で京都の呉服店に就職し、20歳の時に弘前に異動を命じられたという。「知っている人が誰もいなかっただけでなく、言葉が(方言で)伝わらない土地だった」と足立さん。29歳で独立し、呉服卸会社「足立絹織」を開業。36歳の時には貸衣装専門店「きものセンター」を創業した。
足立さんによると、同ゴルフ練習場の場所は以前、野球場だったという。「弘前高校の野球場と並んで2つあった。会社の草野球チームの野球場だったが、チームの運営が厳しくなり、次第にゴルフを練習する場所になった」と足立さん。「自分も毎日通えるゴルフ練習場として開業することにした。当時は弘前で初のゴルフ練習場だった」とも。
2階も含めて全72打席。駐車場は100台。3600坪の敷地の除雪が厳しいことから地下水を2カ所から引いている。開業当初は足立さん自らボール拾いもした。雪に打ち込んだボールが埋まり、春まで見つからないことが多いため、同練習場が所有するボールは50~60万個にも上るという。足立さんは「同規模の練習場の10倍は所有している」と話す。
45年間の無休と価格にはこだわり続けた。現在も電気代や暖房費の高騰で価格維持は難しいが、値上げは当面行わない。「価格は企業努力で維持し続けたい。コロナ禍でも多くの来客があった。地域に求められている以上、最大のサービスを提供し続けられる店にしたい」と意欲を見せる。
足立さんは「あっという間だった」という45年を振り返り、「リピーターが多く、年間7~8万人の来客がある。街中を歩いていると、声をかけられることがあり、知らない土地で70年間住み、街でも声をかけてもらえるような人間関係を築けたことこそゴルフ練習場を続けてきた一番の財産」と笑顔を見せる。
営業時間は、冬季=8時~21時、夏季=6時~22時。