弘前市出身で在住の写真家・長谷川正之さんの写真が国際写真コンテスト「WPCワールドフォトグラフィックカップ2015」に、日本代表の作品の一つとして選出された。
コンテストに出典中の作品(右)と元写真(左)。色合いが絵画調に映えるように、撮影の段階で工夫を凝らしているという
同コンテストには、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアから33カ国が参加。各国から15人ずつ選抜された写真家たちが、デジタルアート・ポートレート・ランドスケープなど6つの部門に分かれて作品を出展する。
長谷川さんの作品はブライダル部門に出展。弘前公園の満開の桜を背景に、白無垢(むく)に身を包んだ花嫁姿の女性を写した写真で、昨年5月にさくらまつり期間中の弘前公園で撮影した。これまでも海外の写真コンクールで受賞歴がある長谷川さんは、同コンテストへの出展について「ヨーロッパ的な色彩感覚の中に、日本らしさを表現した」と話す。
写真を撮った後の色調補正に気を使ったという長谷川さん。「自分は日本人だから、日本の美しさを世界に伝えたかった。特に弘前という街は、古い街並みや美しい自然が残り、和の魂が息づいている。そこを表現するために工夫を重ねた」とも。
長谷川さんは写真館ハセガワ(弘前市東長町)のオーナーとして、撮影する写真の中でも「弘前の魅力」を背景に映し出すことを心掛けている。「弘前の魅力は、弘前公園があるということ。市民でもさくらまつりの時しか公園に足を運ばないという人が多いが、いつ来ても素晴らしいスポットだと知ってもらいたい」と話す。
同コンテストは2月2日にアメリカで開催される全米写真家協会のパーティー会場でカテゴリーごとにファイナリスト10人が選出され、上位3人が金・銀・銅のメダリストに定められる。「昨年のコンテストでは日本のメダル受賞がゼロだった。今年は自分もメンバーの一人として選ばれた以上、個人としても国としてもいい成績を残せるように願っている」と長谷川さんは話す。