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青森県が黄色リンゴ「トキ」の適期収穫呼びかけ 市場価値下落防ぐため

収穫を待つ黄色リンゴ「トキ」

収穫を待つ黄色リンゴ「トキ」

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 青森県が現在、県内のリンゴ生産者向けに、黄色リンゴの中生種「トキ」の適期収穫を呼びかけている。

青森県りんご協会が配布している収穫を見極める「カラーチャート」

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 青森県「攻めの農林水産業」推進本部が9月15日、前坂CA冷蔵庫前(弘前市独狐山辺)で「りんご高品質・良食味生産に向けた適期摘葉・適期収穫キャラバン」を行い、リンゴ生産関係者を集めて「トキ」の適時収穫を呼びかけた。県では2018(平成30)年から、キャラバン隊がリンゴ生産農家を巡回して収穫時期の指導を行っている。

 「トキ」は、「王林」と「ふじ」の交配で生まれた「リンゴ界のサラブレッド」とも呼ばれ、2004(平成16)年に品種登録された。熟期は10月上旬。青森県りんご協会の小野充貴さんによると、外観、食味、食感が良いことから早生種「きおう」と晩生種「王林」をつなぐ黄色品種の中世種として期待されたが、市場での価値が伸び悩んでいるという。

 「大きな原因の一つは海外需要」と小野さん。台湾や香港の旧暦8月15日に行われる「中秋節(ちゅうしょうせつ)」では月に見立てた黄色の果物が贈答用に人気で、日本のナシなどが重宝されている。近年はナシの代わりとして青森リンゴ「トキ」が選ばれるようになっているという。今年の中秋節は9月10日になる。

 小野さんは「中秋節の開催日は毎年異なる。9月下旬であれば収穫適期に近いトキを出せるが、9月中旬や初旬になると難しい。需要が高まった2013(平成25)年には早く収穫されたトキが国内外で流通し評判を落としてしまった」と話す。

 小野さんは「中世種は台風の影響を受けやすいことも適期収穫ができない理由で、被害を避けるため早く収穫してしまうリンゴ農家もいる」と指摘する。「リンゴ農家にそれぞれの事情があり、流通過程においてもそれぞれの立場はある。食味の伴わないトキではなく、臨機応変な対応が必要で、さまざまな品種で対応してほしい」とも。

 同協会では青森県産業技術センターりんご研究所の監修の下、色づきを見極める「カラーチャート」を作成し、熟したタイミングで収穫する「すぐりもぎ」の徹底を呼びかけている。キャラバンに参加したリンゴ農家は「おいしいリンゴを消費者に届けるため、チャートだけでなく実際に食べたり糖度を測ったりして収穫時期を見極めたい」と話す。

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