看板製作会社「ブレーメンの看板屋」(弘前市西城北)が現在、閉店した総菜店「惣菜さとう」のメニューボード引き取り人を募集している。
「惣菜さとう」は西弘商店街で30年以上営業した弁当店。今月に入り、6月10日に廃業することを発表すると、県内外からかつての利用客が訪れるようになり、数時間待ちの行列もできるなどして話題を集めた。
「ブレーメンの看板屋」社長の葛西晋さんによると、閉店後の「惣菜さとう」の看板撤去を手伝うことになり、メニューボードはそのまま引き取ったという。「処分するものだが、惣菜さとうの歴史と人気を知っているだけに、もしかすると欲しい人がいるかもしれない」と葛西さん。
メニューボードは手書きで、80種あったという「惣菜さとう」のメニューの一部。野球部とコラボした「ホームラン弁当」や弓道部向けの「皆中弁当」など、常連だった学生のために作った弁当メニューが並ぶ。メニューは1枚ずつ取り外せるため、1枚でも欲しい人がいれば無料で譲るという。
葛西さんは「処分してしまえば二度と戻ることはなく、今まで処分した看板も多くあった。メニューボードは長年の調理による油が付着し、きれいとは言えないが、人によっては価値があるものかもしれない。いなければ処分するだけだが、欲しい人がいれば、思い出の品として預けたい」と呼びかける。
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