プロダクトブランド「スゴモノJAPN」が6月10日、「青森こぎん刺し×遮光器土偶スーベニアジャケット(スカジャン)」の完成を発表した。
伝統文化と新しい視点や技術を使った土産品を「スゴモノ」として商品化を目指す同ブランド。「全国47都道県 ご当地スーベニアジャケット(スカジャン)プロジェクト」と銘打ち、スカジャン文化の保存活動を行う「桐生ジャンパー研究所」と「桐生スーベニア(土産品)協会」が協力する。
プロジェクト第1弾に青森を選んだ理由について、同プロジェクト代表で商材企画や映画PRなどを手がけるクリエイティブディレクターの鳥越智志さんは「JR五能線・木造駅にある遮光器土偶の巨大モニュメントに引かれたことがきっかけ。青森の工芸とコラボしようと考え、青森の工芸の中から津軽こぎん刺しを選んだ」と話す。
津軽こぎん刺しは津軽地方に伝わる伝統的な刺しゅう技法で、「モドコ」と呼ばれる基礎模様が特徴。鳥越さんは津軽こぎん刺しを弘前のこぎん作家「こぎん屋さしぼぅ」「cogin+T(こぎんと)」に依頼した。「cogin+T」を主宰する砧川キヌ子さんは「スカジャンの当初の下絵を見た時にガイコツのデザイン画はねぷた絵で表現できないかと考え、ねぷた絵師に依頼することにした」と話す。
デザイン画を担当したねぷた絵師の野村雄大さんは「依頼を受けた時は頭にクエスチョンマークが浮かぶ企画だったため、逆に引き受けることにした。ねぷた絵といえば、ガイコツと牡丹(ぼたん)。いろいろな組み合わせで独特の雰囲気に仕上がったのでは」と自信を見せる。
スカジャンはリバーシブルで、野村さんの描いたガイコツと牡丹を基に、「こぎん屋さしぼぅ」「cogin+T」がこぎん刺しで刺しゅうを施したA面と、遮光器土偶を桐生製のレーヨンサテンでデザインしたB面が目を引く。さしぼぅさんは「スカジャンを入り口に、津軽こぎん刺しやねぷた絵、縄文に興味を持っていただけたら」と話す。
鳥越さんは「各地の伝統文化と新しい視点を組み合わせた土産をコンセプトに、世界に向け発信していきたい」と意気込む。
鳥越さんによると、完成したスカジャンは今後、青森県内や東京都内で展示した後、受注生産販売を予定しているという。