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「珈琲の街ひろさき」ドリップバッグ販売から10年 仕掛け人の思い

成田専蔵さん。手に持つのは「珈琲の街ひろさきドリップ珈琲」

成田専蔵さん。手に持つのは「珈琲の街ひろさきドリップ珈琲」

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 弘前のドリップバッグコーヒー「珈琲(コーヒー)の街ひろさきドリップ珈琲」が5月、販売を始めて10年がたった。

弘前城が描かれた「珈琲の街ひろさきドリップ珈琲」

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 2012(平成24)年5月14日に発売した同ドリップバッグコーヒー。2009(平成21)年10月に発足した「弘前は珈琲の街です委員会」が、「珈琲の街ひろさき」を宣言し、観光コンテンツとして弘前市内の喫茶店などを巡るスタンプラリーを企画。同ドリップバッグコーヒーは土産品として開発し、現在ではギフトなどにも活用されるようになった。

 同委員会事務局長で喫茶店「成田専蔵珈琲店」店主の成田専蔵さんは「喫茶店を巡ることが観光コンテンツになるとは思いもしなかったし、ハンドドリップにこだわる喫茶店として、自宅で飲めるドリップバッグコーヒーの販売には抵抗があった」と当時を振り返る。

 成田さんは1975(昭和50)年にコーヒー教室と喫茶業を始め、自家焙煎(ばいせん)のコーヒー豆販売やコーヒーの茶会や講演を開催するなど、弘前の喫茶文化に尽力した一人。「店を始めた当初、客が来ない日が多く、電話帳で喫茶店の数を調べたことがあった。当時の弘前には約650軒の喫茶店があり、喫茶文化が根付いた土地柄だった」と成田さん。

 成田さんは弘前の歴史をひもとき、約160年前の弘前藩士が北方警備の際に薬として配給されたコーヒーがあったことを知る。それを再現した「藩士の珈琲」は「珈琲の街ひろさき」の看板コンテンツとなり、市内10店舗がそれぞれの味で提供した。成田さんは「コーヒーや喫茶店はどの街にもあるものだが、どこにでもあるからこそその風土にあったテロワール(土地の個性)があるのでは」と話す。

 「珈琲の街ひろさきドリップ珈琲」はロングセラー商品として、現在でも店頭に並ぶ。さくらまつり期間中などには、複数個購入する観光客がいるという。「抵抗のあったドリップバッグコーヒーも10年で浸透し、コーヒーの楽しみ方の一つになっている。近年ではコンビニコーヒーも定着しているが、大切なことは記憶に残る一杯を提供すること」と成田さん。

 成田さんによると、弘前の喫茶店の数は約60店にまで減り、コロナ禍で経営状況はどこも厳しいという。コーヒー豆は高騰し、「1杯1,000円といった時代も遠くないのでは」と予測する。「弘前が成功しているのか分からないが、地域色や店柄のあるコーヒーが他の地域にも生まれ、文化として醸成していけば」と期待を寄せる。

 価格は1個=195円、7個入り=1,050円。

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