弘前公園の「花筏(はないかだ)」の写真がツイッターで投稿され、反響を集めている。
花筏は散った桜の花びらが水面に浮かぶ様子を筏に見立てた語で、春の季語。同園は弘前城跡の堀が囲うようにあり、散った桜の花びらがたまりやすい。「桜のじゅうたん」「桜の畳」などと例えられ、「散っても美しい」と国内外から花筏を目当てに訪れる観光客もいる。
話題の発端となったのは、青森市から桜の撮影のために訪れたツイッターアカウント「Ryuuichi Yoneyama」さんが4月23日に投稿したツイート。「ことしの弘前公園はピンク色の絨毯が本当に綺麗!」(原文ママ)と花筏の写真とともにツイートしたところ、1万6000リツイート、7万6000以上のいいねが寄せられた(4月25日17時現在)。
Yoneyamaさんによると、撮影したのは同日11時ころの弘前簡易裁判所前の堀。「花筏は毎年マークしているが、今年はとりわけ色が美しくて気分が上がった」とYoneyamaさん。ツイートに対し、「(花筏の)上を歩いてみたい」「死ぬまでに見てみたい光景」「弘前に帰って見たい」といった反応があったという。
園内の桜を管理する公園緑地課の樹木医・橋場真紀子さんによると、外堀の桜は2017(平成29)年から樹勢回復に取り組んでおり、5年かけて現れた成果なのではという。「弘前公園の特徴と言える、一つの花芽に対して多くの花を咲かせられるよう現場ではさまざまなことに力を注いだ。木が調子を取り戻し、花見客の喜ぶ反応があることはうれしい」と橋場さん。
花びらは水面に浮かぶと少しずつ浸されていき、色がくすんでいく。橋場さんは「今年は満開を迎えてから平年より高い気温が続いたため、各所で桜が散るタイミングが近かったことも影響し、散ったばかりの花びらが多くたまり、美しく見えていたのかもしれない」と話す。
「花筏の見頃は4月27日まで続く予定。花筏のほかにも園内には遅咲きの桜があるので、弘前さくらまつり期間の最後まで楽しんでもらえれば」とも。
弘前さくらまつりは5月5日まで。