7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流災害を受け、弘前市防災課ではハザードマップの見直しを呼び掛けている。
弘前では1975(昭和50)年8月6日未明に集中豪雨が降り、旧岩木町百沢地区の6渓流で土石流が発生。死者22人、重軽傷者31人、住家全壊・流失22棟の被害を出した。中でも岩木山神社東側付近から下流百沢付近にかけての流路は、家屋を押し流され、県道から1キロ下流水田まで被災地域が広がった。
弘前市防災課の中村智行さんは「災害はいつ起こるか分からない。起きてからではなく平時に、自分がどこへ逃げるべきなのかをハザードマップで確認してほしい」と話す。
弘前市では「弘前市防災マップ 安心・安全なまちづくり」を発行している。昨年8月には11年ぶりに改正を行った。特に「マイ・タイムライン」では「自らの命は自らで守る」意識を持つため、避難行動判定フローで自身の災害時の行動が確認できるように指標を示している。
中村さんは「災害時は避難場所に必ず行かなければいけないわけではなく、マンションなどの上層階に住んでいる場合は自宅にとどまり安全確保も可能。安全な親戚・知人宅などに避難するといった、自分の身は自分で守る行動こそが避難という意識を持ってほしい」と呼び掛ける。
「弘前市防災マップ」は市役所などの行政施設で設置しているほか、ホームページでも公開している。