弘前の「カネタ玉田酒造」が2月28日、台湾・台北で開催された日本酒イベント「青森日本酒品●會(日本語訳で青森の日本酒を味わう会)」(●は口へんに嘗)にオンラインで結び、地酒の売り込みを実施した。
カネタ玉田酒造は弘前公園に近くにある300年以上続く老舗酒蔵。現在は杜氏(とうじ)の玉田宏造さんが10代目社長を務める。同イベントへの参加は、台湾のコンサルティング会社Make Miiが仲介。代表の外崎真由美さんは五所川原出身で地元と台湾を結ぶ仕事を考えていたという。
イベントを主催したのは台湾のマーケティング会社「BAKUMO必諾希亞太行鎖股●有限公司」(●はにんべんに分)。台湾における日本酒ブームを踏まえ、日本酒と日本酒文化を浸透させることを目的に開催。当日は台北市在住の20~40代や台湾のユーチューバーなど、日本酒に興味がある約30人が参加した。
台北の会場には事前にカネタ玉田酒造店の「漸」「華一風」の2種類の日本酒を用意。弘前では津軽弘前屋台村かだれ横丁(弘前市百石町)からオンラインで中継し、玉田さんが地酒の魅力や青森の郷土料理との合わせ方などを紹介した。
参加者からは2種類の酒の違いや、料理への合わせ方などの質問があり、弘前からは台湾人の酒の趣向について聞くなど、通訳を介して相互に交流を深めた。
オンライン参加を仲介した外崎さんは「台湾は日本酒ブームだが有名な日本酒しか流通していない。地方の地酒や蔵のストーリー、杜氏の人となり、地域柄、文化、風習を含め、日本酒も日本も好きになってもらいたい。今はオンラインでしか交流できないが、コロナ後に日本に行く台湾人の楽しみの一つになってほしい」と話す。
イベントの終了後、「漸」「華一風」の注文が計30本あった。玉田さんは「日本語が分かる台湾人が多かったようで、津軽弁を無理に標準語風に話していることが面白かったようだ」と笑顔を見せる。