津軽三味線演奏が聴ける「津軽路居酒屋 あどはだり」(弘前市土手町)が1月18日、移転オープンした。
店主の田辺美幸さんが料理を担当し、津軽三味線の演奏も行う同店。複合商業施設「ルネスアリー」(土手町)が11月30日、閉店となったため移転することになった。
「あどはだり」は20年以上前に田辺さんの父が始めた居酒屋で、当時から店主自らが料理と津軽三味線の演奏も担当していた。2012(平成24)年に父が亡くなり、2代目として跡を継いだ田辺さんだったが、自身の実力や経験不足から2014(平成26)年に店をいったん閉めることにした。
田辺さんは東京で美容師の経験を持ち、29歳の時にUターンした。津軽三味線を始めたのはUターンした後。「父の演奏を見て、なんとなく手伝うように始めたのがきっかけ。練習を続けていくと津軽に血が『じゃわめぐ(津軽弁で居ても立っても居られない高揚感のこと)』ようになり、東日(とうにち)流に弟子入りして学ぶようになった」と田辺さん。
閉店から5年ぶりとなる2019年4月にルネスアリー内でオープンしたが、コロナウイルスの影響もあり、再移転となった。田辺さんは「コロナ禍での再スタートだが、応援してくれる人の期待に応えたいし、津軽三味線を聞ける場を提供し続けたい」と話す。
店舗面積は25坪。客席数は40席。座敷などの半個室を2室備える。津軽三味線の演奏は19時と21時を予定する。メニューは石川ウインナー(400円)、若鶏の唐揚げ(500円)、プレーン卵焼き(400円)など。ホタテの貝みそ焼き(500円)、イカメンチ(500円~)といった郷土料理も用意する。
通常メニューのほか、小鉢3品と1ドリンクの晩酌セット(1,200円)、黒板メニューや一人鍋(500円~)を用意し、日本酒は青森の酒のみ、ビールやサワーなど各種アルコール類をそろえる。先代から受け継いだ創作料理「ピンピン焼」は「シーフードチーズグラタン」(650円)と名前を変えて提供し続けている。
田辺さんは「観光客にも津軽三味線を聴いてほしいが今は難しい。地元の人たちに気軽に津軽三味線を聴きながら利用してもらえるような店として続けたい」と意欲を見せる。
営業時間は17時~23時。水曜定休。