企画展「災害を読み解く」が現在、高岡の森弘前藩歴史館(弘前市高岡、TEL 0172-83-3110)で開催されている。
江戸時代の津軽地域で発生した飢饉(ききん)や地震、疫病流行などの災害をテーマに約40点の資料を展示する。企画した学芸員の澁谷悠子さんによると、過去に飢饉を取り上げた企画展はあったが、災害をテーマにしたものは初という。「来年は東日本大震災から10年という節目の年。減災や防災の意識を少しでも持っていただこうと企画した」と澁谷さん。
テーマ別に資料を展示し、噴火コーナーでは岩木山の噴火を取り上げ、飢饉コーナーでは津軽エリアの供養塔の場所を記した地図や拓本を同展のために用意した。疫病流行コーナーでは、江戸時代に2回あった天然痘などの疫病が流行した資料を公開する。澁谷さんは「準備中に新型コロナウイルスの感染拡大があり、当時の厳しい様子がより分かった」と話す。
ロビーでは大正・昭和時代に起きた災害を紹介するパネルを設置。1975(昭和50)年に発生した岩木山百沢土石流災害を取り上げたほか、大正時代の富田の大火や昭和時代の岩木川の氾濫も紹介する。
澁谷さんは「館内は撮影自由。感染症対策をしっかりとしてお越しいただければ」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~16時30分。観覧料は、一般=300円、高校・大学=150円、小中学校=100円。第3月曜休館。12月20日まで。