弘前で9月4日、地元観測史上最大となる降水量88ミリを記録し、市内各地で道路が冠水するなどの被害が出た。
弘前を中心とした津軽エリアでは4日未明から、発達した積乱雲が上空に流れ込んだことにより全域で大雨が降った。気象庁発表のデータによると、10時2分に地元観測史上最大となる1時間当たり88ミリの降水量を記録。同市で1977(昭和52)年8月5日に発生した63ミリを大きく塗り替える雨量となった。
弘前市内では各地で道路が冠水した。弘前地区消防事務組合本部警防課は、市内の床下浸水が7件、床上浸水が18件あり、人的被害はなかったと発表。雨は午後には落ち着き、15時40分には大雨警報、暴風警報は解除。市内での冠水もなくなった。
イトーヨーカドー弘前店(弘前市駅前町)では、併設する弘前バスターミナルから水が地下道に流れ込み始めたため、安全をとり10時30分頃から15時まで営業を見合わせた。「ドトールコーヒーショップ 弘前イトーヨーカドー店」など地下街にある飲食店は終日臨時休業した。
弘前市郊外でも道路が冠水した。「悪戸のアイス」の呼び名で知られる「相馬アイスクリーム商店」(悪戸鳴瀬)の店主・相馬佳広さんは「あと30分でも長く降っていたら店の中まで水が入ってきていたのではないか」と話す。
地元コミュニティーFM局「アップルウェーブ」で気象予報士を務める長尾純一さんは「南にある台風10号から暖かく湿った空気が流れ、弘前で36.7度まで上がった前日の気温が翌朝まで下がらなかったことも雨雲が発達した要因では」と話す。