弘前公園に隣接する藤田記念庭園内にある「クラフト&和カフェ 匠館」(弘前市上白銀町、TEL 0172-36-6505)が7月23日、オープン3周年を迎えた。
カフェスペースでは通年でかき氷を提供し、津軽の工芸品の展示販売も行う同店。洋館、和館などの国登録有形文化財がある藤田記念庭園内「大正浪漫喫茶室」の姉妹店として倉庫跡を改修し出店した。運営は弘前観光コンベンション協会。
店長の菅原早苗さんは「和をテーマにしたカフェを作ろうと考えていたところ、北国でかき氷を提供したら面白いのではと思い立った」と振り返る。「オープン当初はイチゴミルクや生メロンなど王道路線のかき氷を提供した。そもそもかき氷を提供すること自体が初めてだった。自家製シロップの開発は手探りだった」とも。
観光客需要を見込み、オープンしてすぐに「弘前らしさ」を出したリンゴのシロップ開発に着手した。リンゴは変色しやすいためメニュー開発には試行を重ねたという。提供を始めたところ、話題を集め利用客が増えた。
その後、かき氷のメニューを増やして現在は19種類をラインアップする。「弘前らしいかき氷作りに楽しさを覚え、青森カシスや深浦雪にんじん、嶽きみみるくといった変わり種も開発した」と菅原さん。「地元の人には『こんなものまでかき氷にしたの?』と驚かせたいし、観光客には地元の食材で作ったかき氷で青森をPRしたい」と笑顔を見せる。
現在のかき氷メニューは、青森カシス(880円)、生メロンみるく(880円)、マンゴー杏仁みるく(1,100円)。シーズンによりメニュー内容が変わる。かき氷以外には、「和風カレー」「和風パスタ」(以上、1,100円)のランチメニュー、あんみつ(770円)、「りんごのタルト」(440円)などのスイーツメニューを用意する。
7月23日は3周年記念企画としてSNSのフォロワー限定でクーポン券を発行した。開店後すぐに来店があり、その日はほとんどの客がクーポン券を利用したという。菅原さんは「地道に続けてきたことが地元民に受け入れられ、リピーターが増えたことに感謝とうれしさを感じ涙があふれた。一年中、冬にもかき氷を提供し続けることで、面白がられたりさらに通ってもらえたりするような店にしたい」と意欲を見せる。
営業時間は9時~17時(16時30分ラストオーダー)。