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「弘前城石垣シンポジウム」開催へ-初の「国重文」改修事業テーマに

弘前市のシンボルでもある弘前城が、どのように修理されるのかを掘り下げる「弘前城石垣シンポジウム」

弘前市のシンボルでもある弘前城が、どのように修理されるのかを掘り下げる「弘前城石垣シンポジウム」

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 ホテルナクアシティ弘前(旧ベストウェスタンホテルニューシティ弘前)で10月25日、「弘前城石垣シンポジウム」が開催される。

左側が自然石を積み上げた野面積み、右側が石を切って積み上げた切石積みだとわかる

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 100年に一度と言われる弘前城の石垣修理事業をより深く理解するために開く同シンポジウム。弘前市教育委員会文化財課の岩井浩介さんは「事業はようやくスタート地点に立ったばかり。市民の間には『お城がなくなるのでは』といった臆測も飛び交っているため、正しく理解していただく場になれば」と話す。

 今回の修理では、天守下の石垣にできた膨らみを直すため、天守を3カ月かけて約70メートル本丸の中心に曳き家(ひきや)する。岩井さんによると、現存する国指定重要文化財の天守を動かし、(国指定史跡の)石垣を修理するのは初めての試みという。修理事業は10年以上にも及ぶ大事業となり、石垣の石を一つひとつ取り除き、調査も行う。

 修理の対象となる石垣は100年前にも修理を行っている。範囲は、本丸東面の長さ約100メートルと南面の約10メートル。東面の北側約100メートルは修理の対象から外れる。この石垣は野面積みと呼ばれる技法で自然石をそのまま積み上げており、400年前に建造されて以来、一度も修理は行われていない。

 当日は、奈良大学学長の千田嘉博さんが「城郭史から見た弘前城と本丸石垣」といったテーマで講演。国内だけでなく海外の石垣も紹介し、弘前城の石垣の価値を再確認する内容となる。その他、3カ所の石垣修理の事例を、現場担当者の立場から報告。熊本城は修理や復元といったテーマで、金沢城は石垣を調査するといった視点から、仙台城は東日本大震災の被害で修理した石垣のことなどを語る予定だ。

 岩井さんは「弘前城のみならず、全国の城と石垣を知ることができる格好の機会。今回の修理を一生に一度しかないイベントとして体感できるような内容にしたい」と話す。

 同シンポジウムのほか、弘前市立観光館(下白銀町)多目的ホールでは、「全国石垣修理パネル展」を10月24日~26日に開く。10月26日には弘前城本丸発掘調査として現地説明会も行う。

 開催時間は13時~17時。入場無料。申し込み不要。

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