道の駅 津軽白神(旧ビーチにしめや、西目屋村田代)で12月21日、企画展「こぎんのいま展」が開催される。
津軽地方の伝統的な刺し子技法「津軽こぎん刺し」の作家や材料店、団体40組の作品や商品を展示販売する同展。グラフィックデザイナーでこぎんアーティストの山端家昌さんが監修する。
山端さんは青森・おいらせ出身。弘前実業高校在学中に津軽こぎん刺しを知り、作家活動を始め、「星野リゾート 界 津軽」(大鰐町)の「津軽こぎんの間」をプロデュースしたほか、ウェブサイト「kogin.net」を立ち上げた。「今年5月にこぎん作家・佐藤陽子さんの紹介で西目屋のイベントに参加したことがきっかけで今回の開催に至った。企画展の監修は初めて」と山端さん。
山端さんによると、西目屋は津軽こぎん刺しの発祥地と言われ、古作こぎん刺し収集家・石田昭子さんの調査では西目屋の全家庭で津軽こぎん刺しを持っていたという。山端さんは「津軽こぎん刺しの聖地のような場所で江戸時代から続く伝統を、令和という新しい時代に紹介できるのは奇跡のようなこと」と笑顔を見せる。「設営中に村民から『こういうこぎん刺しなら家のタンスにある』と声を掛けられて驚いた」とも。
会場は3コーナーに分け、歴史を学ぶコーナーでは、弘前こぎん研究所(弘前市在府町)や手芸店つきや(土手町)から初公開の展示物や、大正時代にこぎん刺しを活用した製品開発に尽力した大川亮さんのこぎん刺しをあしらったベストなどを展示する。
作品コーナーでは、青森県内外で活動する作家作品のほか、山端さんの私物コレクション、日本代表MFで青森出身の柴崎岳選手とコラボしたこぎん刺し模様の特別シューズが並ぶ。山端さんが担当する「産経学園新百合ヶ丘校こぎんデザイン講座」の生徒の作品も展示する。
販売コーナーでは、オリジナルの津軽こぎん刺し用生地や糸のほか、こぎん刺し木曜会のバッグやジャケットなどを並べる。「希少なグッズが一堂に会する」と山端さんは自信を見せる。
山端さんは「新旧のこぎんが集まった今しかできない展示で、東京ではなく西目屋で開催できたことに意味があった。2月には展示作品をガラリと変えるほか、作家らとめぐるこぎんツアーを企画している。展示物の撮影はOKで、何度も足を運んでもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は9時~16時。入場無料。3月31日まで。