津軽地方に広がるかんがい施設「土淵堰(どえんぜき)」を巡る「世界かんがい施設遺産を巡るバスツアー」が11月3日、開催される。
土淵堰は2017(平成29)年にメキシコシティで行われた国際かんがい排水委員会(ICID)国際執行理事会で「世界かんがい施設遺跡」に選ばれた水利システム。世界では現在73カ所が認定されており、青森県内では十和田の稲生川に次いで2カ所目となる。
同かんがい施設は、岩木川統合頭首工(弘前市如来瀬玉川)を起点に開水路が約16キロにも及び、約8300ヘクタールの農地に用水を供給する。1644(寛永21)年に津軽藩主三代信義公が津軽平野の引水のために開削させ、現在でも利用されている。
当日は弘前駅を出発し、16キロの開水路をバスでたどる。途中、土淵堰終点部の分水施設「野木定盤」(鶴田町野木)や用水補給のための築き上げられた「廻堰大溜池」(廻堰大沢)を見学し、鶴の舞橋も渡る。
昼食後は、小学校跡地を改修した鶴田町歴史文化伝承館(廻堰下桂)でワラ細工を体験し、道の駅「あるじゃ」を回り、弘前駅で解散する。
主催するあおもり農村整備広報委員会事務局の島津章寿さんは「弘前駅出発で企画したバスツアーは今回が初めて。ツアー自体はマニアックかもしれないが、管理関係者がガイドし、興味深い内容になる。歴史的、世界的にも価値の高いかんがい施設をぜひ地元の人たちに知ってほしい」と話す。
開催時間は9時~15時30分。参加費は1,500円(昼食付き)。申し込みはファクス、郵送、メールで受け付ける。締め切りは延長し、10月28日まで。