青森・黒石の中心街「中町こみせ通り」が現在、「異界感がある風景」とネットで話題となっている。
北海道・函館在住でツイッターアカウント「道民の人@North_ern2」さんが8月1日、中町こみせ通りの写真4枚とともに「夏場、旅先でふと通りかかった古い町の夜」と投稿。SNS上では8月3日19時までに、6000以上のリツイート、約1万6000の「いいね」が寄せられた。
中町こみせ通りには藩政時代の木造のアーケード状の通路があり、築270年以上の商家の住宅や酒蔵といった町並みが残る。1987(昭和62)年に「日本の道百選」の一つに選ばれ、2005(平成17)年には「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された。
「道民の人」さんは昔の雰囲気が残った町並みや廃墟などの生活模様を記録することが趣味で、全国を旅行するという。7月13日から15日までの3連休に北東北を回り、最初の目的地が黒石だった。「子供の頃よく家族旅行に来ていたことがあった。再訪したくなり訪れてみると、灯ろうがアーケードに飾られていて美しさに心が奪われた」と「道民の人」さん。
撮影したのは22時ころ。町並みを撮影する際は人が入る写真も残すが、今回は入らないパターンを投稿に選んだという。「道民の人」さんは「アーケードといっても天井が低いので歩くというよりくぐるといった感じで、柔らかい灯ろうの明かりが非日常感を演出し、すれ違う通行人は暗く表情が見えず、異界に迷い込んだような興奮さえ覚えた」と話す。
ネット上では「日常と非日常の境界線の空間…って感じがします。ステキな空間です」「現実から一つだけ軸がずれてる感すごいな」「品のいい綺麗な街ですね」といった反応があり、「黒石市民ですがこういう風に見てもらえるのはとても有難いです」(原文ママ)といった地元住民からのコメントもあった。
「道民の人」さんは「投稿は黒石を訪れてから時間がたっており、しかも深夜帯だったにも関わらず、すぐに急激な反応があり驚いた。『異界感』がある風景は皆さんが憧れる空間なのかもしれない」と話す。
「古い町並みがある土地の人たちは楽天的で好意的な印象を抱いていることが多いが、関東以北の人たちは悲観的に考えている印象がある。短い滞在時間だったが、地元の人たちから『宣伝してくれるなら』とお願いされ、少しでも多くの人が訪れ、地元の人たちが喜んでくれるなら私としてもうれしい」とも。