まるで表札のように設置している日めくりカレンダー
とある民家の玄関口に日めくりカレンダーが飾られてあり、数十年前から毎日更新されているという。その民家を訪ねてみた。
その民家は長四郎公園近くの生活道路に面し、玄関の外壁に日めくりカレンダーが貼ってあった。生活道路といっても幹線道路に近いことから交通量は多く、人目にはつきやすい。日付はちょうど取材したその日。確かに日めくりカレンダーは更新しているようだ。
取材したその日の日付になっていた
お話を聞いたのは、その家に住む丹藤春美さん。80歳以上の高齢で、日めくりカレンダーは毎日更新しているという。単刀直入にその理由を聞くと、「お父さんがやっていたから」と30年近く前に亡くなった夫・正信さんの話をしてくれた。
日めくりカレンダーの設置を始めたのは、弘前市立東小学校が創立した1982(昭和57)年。正信さんは学校のPTA会長を務めていたようで、登校する子どもたちに日にちを教えるため玄関先に日めくりカレンダーを貼り出したことが始まりだった。
先にあるのは国道7号、右に曲がると東小学校がある。長四郎公園付近から撮影
しかし、正信さんは1987(昭和62)年に他界。日めくりカレンダーの設置も終わる予定だったが、正信さんの意志を受け継いだ春美さんが現在も続けている。今では子どもたちだけでなく、出勤する大人たちも確認するようになっているようだ。
丹藤さんの家は一度リフォームしている。リフォームの際に大工が、日めくりカレンダーの設置場所を作ってくれた。現在の設置場所は駐車スペースの後ろで、日めくりカレンダーが隠れてしまうこともあるが、それでも日めくりカレンダーを見かける人はいる。更新されていない時などがあると晴美さんの安否が心配されるという。
これからも続けていきたいと語る春美さん
気になっていることや注意していることなどを聞いてみると、外に設置することで風や雨で飛ばされることがあるようで、重しやクリップなどを使って飛ばされないように工夫しているという。また、枚数が少なくなる年末は、軽くなってしまうため、より大変とのこと。近年は大きいサイズの日めくりカレンダーが少なくなり、新年のカレンダー探しには苦労している。
サイズにはやはりこだわりがあるようで、通りかかる人に見やすいような大きい日めくりカレンダーが良いと、春美さんは笑顔で答えていました。
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