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【リポート】青森・西目屋「フード&クラフトフェスティバル 白神ピークス2022」秋バージョンに行ってみた

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世界自然遺産・白神山地を有した山間にある小さな村・西目屋で、「フード&クラフトフェスティバル 白神PEAKS 2022」が開催されました。3回目となる今回は、初めての秋開催。過去2回の冬開催に比べて、水上アクティビティやブナ林散策など体験プログラムが豊富なイベントとなりました。9月18日、19日の2日間渡って開催したイベントの様子をレポートします。

目次

1.西目屋村の秋を4つのエリアで堪能

2.白神の食のエリアで販売した料理や商品

3.ピザ作りとアウトドアコーヒーで炭焼き文化を体験

4.水陸両用バスとラフティングで水上アクティビティ

5.白神山地の景観を楽しむ、ブナ林散策体験 

6.キャンプとコーヒー好き向けの特別企画

7.まとめ

西目屋の秋を、4つのエリアで堪能

今回のイベントでは、白神の食エリア(「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」)、文化体験エリア(白神炭工房 炭蔵)、アクティビティ(水陸両用バス、ラフティング体験)、自然景観エリア(アクアグリーンビレッジANMON)と、大きく4つに分けた体験エリアがあり、白神の恵みによって育まれた食べ物や加工品の頂点(ピーク)を、秋ならではの西目屋で体験することができました。

白神の食のエリアで販売した料理や商品

白神の食のエリア会場である「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」屋内では、白神山地に関連した食材や加工品を販売していました。白神ワイナリー&白神生ハチミツshop「BeFavo(ビファーボ)」では、白神のブナ林から採取した天然酵母で醸した「SHIRAKAMI WINERY」のほか、自分で「白神生はちみつ」をトッピングできるソフトクリームやジェラートを提供。農産物直売所では、白神山地の天然のマイタケや、地酒「山助」、西目屋村産のそばを使用した「そば焼酎 暗門」に加え、道の駅で新たに開発したジビエシリーズの土産品「白神クマカレー」と「白神クマ丼」も登場しました。

「ビファーボ」店頭に並ぶ「SHIRAKAMI WINERY」「ビファーボ」店頭に並ぶ「SHIRAKAMI WINERY」

西目屋村の地酒「山助」(左)と「そば焼酎 暗門」(右)西目屋村の地酒「山助」(左)と「そば焼酎 暗門」(右)

新発売の白神クマカレー(左)と白神クマ丼(右)新発売の白神クマカレー(左)と白神クマ丼(右)

道の駅前では、出店でジビエ料理や白神山菜そば、白神山地の近海で獲れた魚介料理を販売しました。今回提供したジビエ料理は、くま肉がふんだんに入った「くま汁」。白神山菜そばには、白神で採れたぜんまい、たけのこ、わらびがたっぷり入っていました。弘前の燻製(くんせい)専門店「トパーズ」では「燻製ベーコン」などを提供。西目屋を拠点にスイーツの販売や製造を行う「ジョージのおやつ」では、「ほうじ茶のカヌレ」や「和栗のモンブランタルト」などが並び、来場者は幅広く食事を楽しんでいました。

「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」前で食事を楽しむ来場者たち「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」前で食事を楽しむ来場者たち

くま肉がたっぷり使用された汁物くま肉がたっぷり使用された汁物

「ジョージのおやつ」で提供した「ほうじ茶のカヌレ」「ジョージのおやつ」で提供した「ほうじ茶のカヌレ」

ピザ作りとアウトドアコーヒーで炭焼き文化を体験

新企画となったピザ作り&アウトドアコーヒーの体験が行われたのは、「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」から車で約10分の離れたところにある「白神炭工房 炭蔵(すみぞう)」。西目屋にかつて根付いていた炭焼き文化を身近に体験できるプログラムで、女性グループやカップル、大学生などが参加していました。

「白神炭工房 炭蔵」には、5トンの炭が入る巨大な窯(かま)があり、育てられたりんごの木や剪定した枝を炭焼きしています。「白神焙煎舎」店頭(「道の駅津軽白神 ビーチにしめや」内)で提供するコーヒーの焙煎に使用するほか、炭そのものの「炭蔵」としても販売しています。

工房の屋内には5トンの炭が入る窯がある
工房の屋内には5トンの炭が入る窯がある

さっそく、始めてみたのはアウトドアコーヒー作り。りんご炭を使用して焙煎したコーヒー豆を、専用の道具を使用して自らの手で挽き、西目屋の山々を目の前に、香ばしいコーヒーの味を楽しむことができました。普段、室内で用意された粉末にお湯を注いで何気なく飲むコーヒーとは、一味違う達成感とシチュエーション。アウトドア好きの方であればこの体験を応用して、お気に入りの場所で、西目屋の文化と自分だけの特別なコーヒーを楽しむこともできるのではないでしょうか。

アウトドア専用の道具でのコーヒーの作り方を教わる参加者たち
アウトドア専用の道具でのコーヒーの作り方を教わる参加者たち

「白神炭工房 炭蔵」から西目屋村を眺めて飲んだコーヒー「白神炭工房 炭蔵」から西目屋村を眺めて飲んだコーヒー

炭焼きのアウトドアコーヒーを楽しんだ後は、ピザづくりに挑戦。専用のピザ釜で、生地をこねてお好みにトッピングしたピザを焼き上げました。白神焙煎舎の関係者の皆さんが一から手づくりしたというピザ窯で使用したのはもちろん、りんご炭。トッピング用の具材は用意されていたもののほか、持参した具材も自由に使うことができました。

生地をこねてお好みの具材をトッピング生地をこねてお好みの具材をトッピング

ピザ窯からこんがり焼けたピザを取り出したピザ窯からこんがり焼けたピザを取り出した

水陸両用バスとラフティングで水上アクティビティ

今回の「白神ピークス」では、津軽白神湖の湖上を走る水陸両用バスと、白神山地から流れる岩木川でのラフティング体験をすることができました。「道の駅津軽白神 インフォメーションセンター」での手続きを済ませた後、バスは、水上を走る津軽白神湖に向けて、陸上を約20分走行。津軽白神湖の入口に到着したら、いよいよ湖上へスプラッシュ。その後は水上を約30分ゆったりと走行し、広大な湖と白神の山々を眺めることができました。

「道の駅津軽白神 インフォメーションセンター」に集合して乗車「道の駅津軽白神 インフォメーションセンター」に集合して乗車

水陸両用バスに窓はないため、津軽白神湖を180度眺めることができる水陸両用バスに窓はないため、津軽白神湖を180度眺めることができる

ラフティング体験では、白神山地を源流とする岩木川約5キロを1時間30分ほどで下ります。時には川の流れの速さや岩を避けるスリルを楽しみ、時には大自然の景色を眺めながら、高さ約6メートルのダイビングスポットから飛び込みにも挑戦できます。水上からしか見ることのできない西目屋を堪能しながら、子どもから大人まで、無邪気に川遊びを楽しむことができました。

川の流れが激しいスポットはスリル満点
川の流れが激しいスポットはスリル満点

水上からしか見ることのできない大自然の景色
水上からしか見ることのできない大自然の景色

約6mの高さからのダイビングにも挑戦できる約6mの高さからのダイビングにも挑戦できる

一緒にボートに乗る「A’GROVE」ガイドの気さくかつ盛り上がるレクチャーも魅力の一つ。ラフティング開始前にオリエンテーションがあり、ライフジャケットやウエットスーツなどの必要な道具はレンタル可能。非日常の水遊び体験をすることができます。体験後には、西目屋にある3つの温泉施設で使用できる無料入浴券を使って、源泉かけ流しの湯で濡れた体を温めることもできました。

パドルでのハイタッチの仕方をレクチャー
パドルでのハイタッチの仕方をレクチャー

白神山地の景観を楽しむ、ブナ林散策体験

白神山地ブナ林散策体験は、アクアグリーンビレッジANMONからスタート。世界遺産区域を散策できるトレッキングコース1.6キロほどゆっくりと歩きました。ブナ林の入り口にあった湧き水は超軟水で、口当たりはなめらか。大自然の恵みをいただいている気持ちになりました。

ガイドは、マタギ文化と自然を守り、伝承する、白神マタギ舎のスタッフの皆さん。白神の森で狩りや山菜採りをして暮らしてきた「マタギ」の文化や暮らしにまつわる話に耳を傾け、木々や植物、生き物たちを全身で感じながら、その日にしかできない貴重な散策体験となりました。

マタギ文化を学びながら白神山地内をガイドに続いて歩いた
マタギ文化を学びながら白神山地内をガイドに続いて歩いた

キャンプとコーヒー好き向けの特別企画

4つのエリアに加えて、特別にキャンプ企画がありました。場所は、目屋渓谷岩木川カヌー競技場近くの名坪平運動公園。岩木川上流やその支流を指す「目屋渓谷」を目の前に、白神の食材と、アウトドアコーヒーを楽しむことができます。特別なロケーションでキャンプができるだけでなく、白神焙煎舎での炭焼きコーヒーの焙煎体験、アウトドアコーヒーセットの貸し出し(先着順)、さらに「ブナの里 白神館」の温泉チケット、「SHIRAKAMI WINERY」のハードシードルの提供と、盛りだくさんなプラン。自ら焙煎した豆を持ってキャンプ場へ行き、セッティングが完了したら温泉でひと休み。岩木川を目の前にハードシードルを味わい、朝が来たらアウトドアコーヒーを楽しむことができるという、ぜいたくなキャンプ体験です。

日が暮れる前に名坪平運動公園でテントをセッティング
日が暮れる前に名坪平運動公園でテントをセッティング

ゆったりと白神の食材やアウトドアコーヒーを嗜める
ゆったりと白神の食材やアウトドアコーヒーを嗜める

まとめ

初めての秋開催となった「白神ピークス」。前回の冬開催に引き続き、会場での検温や連絡先の記入など、新型コロナウイルスの感染対策も徹底の上で行われました。2日間の来場者・プログラム参加者は約1200人。秋の過ごしやすい季節に開催した今回のイベントでは、白神山地の自然や西目屋村の文化をより深く、肌で感じることができました。季節ごとに、世界遺産白神山地の恵みを味わい、大自然の中でさまざまな体験ができる「白神ピークス」。今後の開催も楽しみです。

来場者は会場入り口で検温、手指の消毒、連絡先の記入をした来場者は会場入り口で検温、手指の消毒、連絡先の記入をした

道の駅「津軽白神」ビーチにしめや

営業時間
農産物直売所=4月~10月/9時~17時・11月~3月/9時~16時、レストラン「森のドア」=4月~10月/11時~14時(土日祝11時~15時)・11月~3月/11時~14時、BeFavo=10時~16時(年末年始定休、その他冬期定休日あり)、白神焙煎舎=4月~11月/10時~16時、12月~4月/11時~15時(年末年始定休、冬期は水・木曜定休)
定休日 なし
アクセス JR奥羽本線「弘前駅」から車で30分、東北自動車道「大鰐・弘前I.C」から車で40分
住所 青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田219-1
TEL 0172-85-2855

» 道の駅「津軽白神」ビーチにしめや公式サイト

白神ピークス

白神ピークス

白神山地と人の長い長い関わりの歴史の中で食べられ使われてきたものが、あるものは昔のまま、あるものは研ぎ澄まされ、あるものは再解釈され混在する西目屋村。それらの逸品が集うフェスティバルを2日にわたり開催します。白神の恵みを味わい・学び・楽しもう!

» 白神PEAKS公式サイト

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