弘前経済新聞

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「HLS弘前」で学生向けオンラインイベント 新型コロナ禍で廃業した元社長招く

オンラインイベントの様子

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 コラーニングスペース「HLS弘前」(弘前市土手町)が6月24日、オンラインを通じてキャリアイベント「全店舗閉店して会社を清算することに決めました~廃業は失敗じゃない~」を開催した。

HLS弘前の店内

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 「地域や世代を超えて、共に学び合う(コラーニング)」をコンセプトに、貸し切りイベント事業や貸しスペース事業を展開する「HLS弘前」。現在は新型コロナウイルスの影響で、オンラインイベントをメインに行っている。

 同イベントのゲストは「イロモア」元社長の福井寿和さん。福井さんは青森でカフェ「cafe202」を出店し、「さくら野百貨店 弘前店」内に2店舗、仙台にも進出し、最大5店舗を経営していたが、新型コロナ禍の中、今年5月に廃業した。

 福井さんによると、4月11日から休業し、閉店は4月下旬に決断したという。「すぐに決められたわけではない。家族や従業員、取引先への二次被害なども考え、お金が残っているうちに廃業を決めた」と福井さん。5月8日に「全店舗閉店して会社を清算することに決めました」と題したブログを投稿したところ、2日間で約140万ページビューを記録し、全国的な注目を集めた。

 イベント当日は約100人が参加。青森だけでなく鹿児島や新潟からも参加があり、学生だけでなく社会人の参加者もあった。イベントでは福井さんが廃業に至った経緯を説明した後、参加者からの質問をチャットなどで受け付けた。

 参加者からの「閉店以外の選択肢はなかったのか」との質問に、福井さんは「規模を縮小した営業やネット通販といった選択肢もあったが、新型コロナ感染拡大の収束が見えない中、決断を先延ばしにするリスクのことを考えた」と答えた。

 福井さんは今後について、「働く場所が問われなくなり、オンラインが当たり前になっている。地方にいても東京の仕事ができるようになった。何をしたいかというより誰としたいかを考え、今まで支えてくれた人たちに恩返しができるようなことをしたい」と意欲を見せる。

 学生に向け、福井さんは「キャリアは階段を上るようなイメージではなく、曲がりくねった山道を登るようなイメージ。5年、10年後を考えることは大事だが、予想できない多くの偶発的な出来事に対して、次に何をしたいかを真剣に考えることが大切」と呼び掛ける。

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