弘前の東目屋地区にある多賀神社(弘前市桜庭)で8月17日、地元の若者たちによって清水(きよみず)大祭が行われた。
350年以上の歴史がある多賀神社は、津軽33観音霊場の2番札所。本殿は京都の清水寺を模して建立したと言われ、津軽地方に伝わるえとを守り神として信仰する「津軽一大様」では「子(ネズミ)」を祭る神社となる。
清水大祭は同神社で毎年行われる夏祭りだが、近年では参詣者の数も少なくなる一方だったという。「楽しいね東目屋!実行委員会」の吉谷聡仁さんは「30年以上前は露店も多く立ち並び、子どもたちにとって夏休みの思い出となる祭りだった」と振り返る。
地元の若者たちで結成した同実行委員会では、同祭を昔のように盛り上げようと、リンゴ農家や大工、自動車整備士といったそれぞれの本業を生かし、祭りに協力。吉谷さんは「かつてあった夏休みの楽しみを、今の子どもたちにも体験してほしかった」と話す。
祭りでは、子(ね)年生まれによる合同祈願や弘前大学津軽三味線サークルによる津軽三味線の演奏などを新しく企画。地元出身のプログラマーで「パルネット弘前」(小比内)の三上清樹さんは、3Dプリンターで作った白色のネズミの立体像を提供し、塗り絵コーナーを設置した。
弘前市に在籍する地域おこし協力隊4人も同祭りに協力し、ネズミのフェイスペインティングや写真の撮影などを行った。4月から同協力隊として千葉から弘前に移住した吉田涼香さんは「思った以上に地元の子どもたちがたくさん来て、私自身も楽しかった」と話す。
吉谷さんは「台風の影響によるあいにくの雨だったが、子どもから大人まで楽しむことができた。来年以降は外からも人が呼べるようなイベントにしていきたい」と意気込む。