弘前公園では散った桜の花びらが水面に浮かぶ「花いかだ」が見頃となり、訪れた花見客の多くがカメラを向けている。
「弘前さくらまつり」は4月23日より開催。27日に満開を迎えたソメイヨシノが散り始め、花びらが弘前公園の外濠の水面に浮かび始めている。花いかだと呼ばれる現象で、花びらをいかだに例えた春の季語。水面に敷き詰まった花びらはまるでピンクのじゅうたんのように見えると、足を止める花見客から感嘆の声が上がっている。
同園の桜は日本一の生産量を誇るリンゴの剪定(せんてい)技術が生かされている。そのため通常のソメイヨシノは一つの房に4~5個の花しかつけないが、同園のソメイヨシノは7つの花をつけることもある。弘前の桜が日本一美しいと呼ばれるゆえんともいわれ、花びらの数も日本一と言っても過言ではないだろう。
同市公園緑地課によると、「さくらまつり」期間に合わせ同園の外堀の水は滞留させているという。「桜の花びらは2~3日で土色になってしまうため、変色を始めると外堀の水を流し始める」と同課の小林勝さん。弘前市民会館付近の南西側の外濠を起点に水を半時計回りに流れており、北西の外堀から岩木川へと流している。
園内ではヤエベニシダレや寒山といった桜がこれから咲き始め、ゴールデンウイーク後半でも花見を楽しむことができる。「弘前さくらまつり」は5月6日まで。