
国土地理院が3月10日、標高成果を改定して岩木山の標高が1624メートルになることを発表した。
岩木山は標高1625メートルの独立峰。津軽平野のシンボルと知られ、「津軽富士」とも呼ばれる。国土地理院の発表によると、準天頂衛星システム「みちびき」やGPSなどを使った衛星測位を基にした標高システムへの移行に伴い、全国にある79の山の標高を変更するという。
改正は4月1日からで、岩木山の標高は1メートル低くなる。今回の改正により、地殻変動で累積した標高成果のズレを解消するとともに、これまで全国の測量に10年以上を要していた一等水準路線を基盤とした標高体系を見直し、全国の電子基準点の標高成果をいつでも利用できるようになるという。
岩木山の標高は津軽周辺住民にはなじみのある数字で、「1625」を使ったグッズがあることやクルマのナンバーにしている人も多い。地元のSNS利用者からは標高が低くなったことを惜しむ反応があった一方で、「標高が変わっても岩木山は岩木山」といった声があった。中には「4月1日発表が怪しい」とエープリルフールなのではといった反応もあった。
「平成1年6月25日」生まれで長野から弘前に移住した黒岩唯さんは「誕生日の数字と同じだったため、岩木山とは運命を感じていた。みんなで岩を積んで1メートル高くできないものか」と笑顔を見せる。