プレスリリース

数奇な運命をたどった2組の襖絵が約150年ぶりに再会! 宮越家所蔵「春景花鳥図」と綴プロジェクト作品「秋冬花鳥図」を特別展示

リリース発行企業:キヤノン株式会社

情報提供:

キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が共同で推進している「綴プロジェクト」(正式名称:文化財未来継承プロジェクト)で制作した「秋冬花鳥図」の高精細複製品が、青森県中泊町の「宮越家」で、「春景花鳥図」とともに特別展示されます。もとは一連の作品であったと言われ、数奇な運命をたどった2組の襖絵が、約150年の時を経て再会します。







青森県中泊町の旧家「宮越家」は、9代目当主の宮越正治が大正から昭和初期にかけて私財を投じて収集した貴重な美術品を所有しています。昨年、宮越家所蔵の「春景花鳥図」が、英国の大英博物館所蔵の「秋冬花鳥図」と一連の作品であることが、元京都国立博物館主任研究員で、狩野派研究者の山下善也氏により発表されました。2組の襖絵は、もとは奈良県の談山神社が所蔵していましたが、明治維新後、廃仏毀釈(きしゃく)の混乱の中で流出し、その後「春景花鳥図」は1922年に宮越正治が購入し、大切に保管されてきました。一方、「秋冬花鳥図」は海を渡り、1937年から大英博物館に所蔵されています。キヤノンは、綴プロジェクトの活動の一環で、この大英博物館所蔵の「秋冬花鳥図」の高精細複製品を制作し、2018年に旧蔵元である談山神社に奉納しました。両作品は、美術品の来歴の変遷をたどる上でも文化的価値が高く、今回の発見をきっかけとした研究の進展に専門家から期待が寄せられています。

そして今回、数奇な運命をたどったこの2組の襖絵が、約150年の時を経て、宮越家の離れ「詩夢庵(しむあん)」にて再び一つの空間に集う特別展示が実現しました。この展示では、ガラスケース無しで間近での鑑賞を楽しむことができます。ぜひ会場に足をお運びいただき、約400年前に描かれ、日本と英国で愛された両作品の再会をじっくりとご堪能ください!

〈令和7年宮越家離れ・庭園 一般公開「秋冬花鳥図」高精細複製品の特別展示 概要〉
 会  場:宮越家離れ・庭園「詩夢庵(しむあん)」(青森県中泊町)*住所は非公開
     *宮越家までは、中泊町の指定された発着場より運行する専用のシャトルバスでのみご来場  
      が可能です。直接のご来場はできませんのでご注意ください。
 公開期間:「春」 2025年5月23日(金)~6月29日(日)
      「秋」 2025年9月26日(金)~11月2日(日)
 休 館 日:月曜日
 入館方法:事前予約制(1日最大80名)
 チケット販売:「春」2025年5月7日(水)より開始
        「秋」2025年9月9日(火)より開始
 入 場 料:2,500円
 主  催:青森県中泊町
 特別協力:キヤノン株式会社、特定非営利活動法人 京都文化協会
 監  修:山下 善也 氏(美術史家 元・京都国立博物館主任研究員)
 *詳細は、一般社団法人中泊町文化観光交流協会の公式サイトをご参照ください。
  https://nakadomari-ctea.jp/archives/1501

〈特別展示品〉
 「秋冬花鳥図」高精細複製品
  原本:狩野派 筆、大英博物館 所蔵



「秋冬花鳥図」は、江戸時代(17世紀)の狩野派の作と伝えられており、雁や鴨、白椿や千両など秋冬の景物が描かれた襖絵です。オリジナルは、「大化の改新」の中心人物である藤原鎌足を御祭神とする奈良県の談山神社旧蔵という来歴が明らかな点や、桃山時代から江戸時代初期にかけての狩野派の特徴を顕著に伝える点で重要であり、大英博物館が所蔵する日本美術品の中でも代表的な作品と位置づけられています。「綴プロジェクト」では、この「秋冬花鳥図」の高精細複製品を制作し、2018年に旧蔵元である談山神社に奉納しました。今回、宮越家所蔵の襖絵「春景花鳥図」と大英博物館所蔵の「秋冬花鳥図」が、もとは一連の作品であるという歴史的な発見を受け、その発見者である山下善也氏監修のもと、中泊町と連携し、宮越家で2組の襖絵の鑑賞の機会を提供する特別展示が実現しました。

▼綴プロジェクト ウェブサイト 作品紹介「秋冬花鳥図」
https://global.canon/ja/tsuzuri/works/shutokachozu/

▼綴プロジェクト ウェブサイト 動画紹介「秋冬花鳥図の里帰り」
https://www.youtube.com/watch?v=TjffTSS-_4A


〈「綴プロジェクト」について〉
「綴プロジェクト」は、キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が 2007 年より共同で推進している文化支援活動です。日本古来の貴重な文化財には、歴史の中で海外に渡った作品や国宝として大切に保管されている作品など、鑑賞の機会が限られているものが多くあります。「綴プロジェクト」では、キヤノンの入力、画像処理、出力に至るイメージング技術と、京都伝統工芸の匠(たくみ)の技との融合により、オリジナルの文化財を忠実に再現した高精細複製品を制作しています。制作した高精細複製品は、文化財にゆかりのある社寺や自治体、博物館などへ寄贈し、寄贈先での一般公開や学校教育の現場など、さまざまな場面で活用されています。これまでに、葛飾北斎や俵屋宗達、尾形光琳の作品など、60作品を超える高精細複製品を制作しました。

▼綴プロジェクト ウェブサイト
https://global.canon/ja/tsuzuri/

  • はてなブックマークに追加

弘前経済新聞VOTE

「すじこ納豆」を食べますか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース