写真家・菅原一剛は、青森県弘前市の春の名物である弘前さくらまつり2025の開催期間である2025年4月18日(金)~5月5日(月)に菅原一剛写真展「BROOM to BLOOM」を、弘前市が誇る洋風建築であり重要文化財の旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)にて開催いたします。
写真家菅原一剛は、弘前に拠点を置くリサイクル業界大手の株式会社青南商事(青森県弘前市大字神田5丁目4-5)の廃棄物処理の現場にて、廃棄物が適切に解体・分類・加工され、「資源」として生まれ変わった姿に美しさを感じ、20年にわたり廃棄物を撮影し続けてきました。
その中でも最も歴史が古いリサイクル素材であり、かつ高いリサイクル率を誇る「鉄」に着目し、断裁され処理を終えた鉄塊を、1億5000万画素の高精細なカメラを用いて撮影。さらに特殊な印刷技術を駆使して、立体感とそこにあるかのような存在感を湛えた写真表現を実現しました。本展では、鉄の「再生」をテーマとした、1,500mm×1,875mmの大型の作品8点を発表いたします。
これらの作品は、2024年、ソウルの狎鴎亭のギャラリー「Look in side」で開催された菅原一剛写真展「DUST MY BROOM2」展にて初めて発表し、「鉄」の造形美と立体感や質感に驚く方も多く、好評を得ました。この度、この作品が生まれた青森の地にて、地元の方々にこそ見て頂きたいという菅原一剛と青南商事の想いのもと、桜が咲き誇る「弘前さくらまつり」の時期に合わせての開催となります。
開催概要
行 事 名 菅原一剛写真展「BROOM to BLOOM」
会 期 2025年4月18日(金)~5月5月(月)9:30am~18:00pm
休 館 日 火曜日
場 所 旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館) 青森県弘前市元長町26
入 館 料 高校生以上200円(団体100円) 小・中学生100円(5人以上無料)
鑑 賞 料 無料
主 催 菅原一剛写真展実行委員会
協 賛 株式会社青南商事
WEBサイト https://seinan-group.co.jp/news/broomtobloom2025/
後 援 東奥日報社/陸奥新報社/青森放送/青森テレビ/青森朝日放送/
エフエム青森/FMアップルウェーブ
問い合せ先 菅原一剛写真展実行委員会 TEL 03-4283-5155
■菅原一剛のコメント(写真集「DUST MY BROOM2」より抜粋)
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日本という国は、文化や生活のなかに「再生」という概念が色濃く根付いている。暮らしのなかに息づく再生のすがたはとても美しい。
これまでリサイクルというと、そのシステムと過程すべてにおいて“処理”という捉えられ方が主だったが、これからのリサイクルは、むしろ“生み出す”という能動的な作業となるはずだ。これこそがリサイクルの新しいかたちと思われる。
だからぼくはこれからも、リサイクルという行為のなかで、ほんの小さなこと、ほんの小さなはじまりだとしても、そこから生まれるひとつの「BLOOM=咲く」が生まれる瞬間とそのすがたに、自身のまなざしをよりしっかりと向けていきたいと思っている。
もう一度、すべてをやり直すために。
“BROOM=ほうき”から“BLOOM=咲く”へ
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会場となるのは、弘前さくらまつりが開催される弘前城公園にほど近く、弘前市を代表する洋風建築の一つであり重要文化財の旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)。当時の洋風建造物の第一人者であり太宰治の生家・斜陽館なども手がけた堀江佐吉による重厚感あふれる洋風建築のしつらえに合わせた額装で発表いたします。
日本が世界に誇る弘前の桜の美しさとともに、菅原一剛の写真を通して、50年以上に渡り培われてきた高いリサイクル技術によって生まれ変わった資源の美しさと、リサイクルという「再生」の営みの本質的なすがたをぜひご覧ください。
■写真集『DUST MY BROOM2』(赤々舎)販売中
本作品を含む96点の廃棄物の写真を収めた、写真集「DUST MY BROOM2」(赤々舎)も発売中です。菅原一剛が約20年にわたり東北の各現場に通い撮影してきた廃棄物の中から、厳選した作品を収録。廃棄物の集合体から見えてくる「再生」のすがたをご覧ください。
会期中、会場内でもご覧いただけます。
『DUST MY BROOM2』書影
『DUST MY BROOM2』より
『DUST MY BROOM2』より
菅原一剛写真集『DUST MY BROOM2』
発行:株式会社赤々舎
定価:5,000円+税(税込 5,500円)
Amazon https://amzn.asia/d/0PNLFYK
菅原一剛プロフィール
1960年生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。早崎治氏に師事後、フランスにて写真家として活動を開始。1996年に撮影監督を務めた映画『青い魚』は、ベルリン国際映画祭にて上映される。 2005年ニューヨークのPace/MacGill Gallery にて開催された『Made In The Shade』展にロバート・フランク氏と共に参加。同年、アニメ『蟲師』のオープニングディレクターを務めるなど活動は多岐に渡る。2023年、植物分類学者牧野富太郎博士の植物標本写真を作品とした写真集『MAKINO 植物の肖像』(北隆館)を刊行し、高知県立牧野植物園にて企画展を開催。2024年、廃棄物を撮影した写真集『DUST MY BROOM2』(赤々舎)を刊行し、韓国にて個展を開催。大阪芸術大学客員教授。日本赤十字社永年カメラマン。
https://ichigosugawara.com/