弘前のリンゴ農家、「読めない」台風10号接近で対応に追われる 

防風ネットを準備するリンゴ農家

防風ネットを準備するリンゴ農家

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 弘前では台風10号の接近に備え、8月30日午前中から、リンゴ農家らが対応に追われている。

今の時期のリンゴはまだ生育段階で赤くもない

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 気象庁の発表によると、台風10号は強い勢力を保ったまま東北地方に接近し、同日夕方には上陸する見込み。「最大の特徴として、発生してから南下したことが異例。東北地方にこのまま上陸すれば、観測史上初めて東北地方太平洋側に上陸した台風となる」と話すのは、地元コミュニティーFM局「アップルウェーブ」の気象予報士・長尾純一さん。

 同市・相馬地区でリンゴ農家を営む田中信一さんと裕聖さん親子は、防風ネットの設置に追われていた。「風が強くならないことを祈るだけだが、台風の進路から考えると、風が逆から吹くことが予想できる。防風ネットの効果があまりないかもしれない」と信一さん。「太平洋側から来る台風は初めてなのでまったく読めない」とも。

 裕聖さんは東京からUターンして昨年からリンゴ農家を始め、シーズンを通してリンゴに携わるのは今年が初めて。「1年目でこんな台風を経験するのは心配だが、やれることはやっておきたい」と不安を語る。

 今の時期のリンゴは品種によって収穫はできるが、人気の品種「ふじ」などの果実は160グラム~170グラムで、まだ生育が必要となる。リンゴ農家によっては、強風で枝から果実が落ちてしまうリスクを避けるため、早生品種などの収穫を早めたケースもあるという。

 長尾さんは「同市に大雨(土砂災害、浸水害)、洪水、暴風警報が発表された。本日18時ごろから21時ごろにかけて最接近し、15時ごろから明日31日0時ごろにかけて、風速25メートル以上の暴風域に入る可能性が高い。不要不急の外出は控え、土砂災害にも気をつけてほしい」と呼び掛けている。

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