津軽地方の郷土料理「けの汁」のオリジナルレシピを披露する「我が家のアイデアけの汁コンテスト」が弘前で開催された。
和徳地区のゆるキャラ「わっとくん」を中心に、左は「たか丸くん」、右は「ドッピー」
けの汁はダイコンやニンジン、山菜類などを細かく刻み、みそやしょうゆで味付けする津軽地方を中心とした東北に伝わる郷土料理。地域や家庭によって調理法が異なり、冬の保存食としても親しまれている。
「我が家のアイデアけの汁コンテスト」は今年が初開催。和徳地区にかつてあったとされる和徳城の城主・小山内讃岐守(おさないさぬきのかみ)の没後443年祭のイベントの一つとして、同地区で活動する和徳歴史探偵団が主催した。
同探偵団の三上隆博さんは「まちおこし事業のツールとしてけの汁を取り上げた」と話す。和徳城でけの汁が食べられていた史実があり、2005年に和徳城をけの汁発祥の地として宣言。「『けの汁論争』のようなムーブメントがあってもいいと思った」と三上さん。現在のところ、論争には至っていないと笑う。
今回のコンテストには八戸市や高校生からの応募もあった。グランプリを獲得した「けの汁」は市内在住の岩山みどりさんが考案した「ふわっとけの汁」。「孫に喜んでもらいたかった」と、はんぺんや豆乳、ベーコンやミックスベジタブルを入れて洋風に仕立てたという。
グランプリ作品の試食会では長蛇の列ができた。試食した20代の女性は「(グランプリのけの汁は)クセになりそうな味だった。実は名前も決め手だったのでは」と話していた。