弘前のNPO法人「スポネット弘前」(弘前市百石町)が3月4日、2015年度のスポーツ少年団の現状を公表した。
公表したデータは同市内のスポーツ少年団の登録団員数や団数を調べたもの。2015年度の団員数は1822人でピーク時となる2006年度の3254人と比べ、10年間で4割以上も人数が減っているという。
「少子化だけではない理由が背景にある」と指摘するのは「スポネット弘前」代表の鹿内葵さん。「母子家庭や核家族化といった家庭環境が保護者の負担を増やし、クラブ活動を支援できない原因の一つになっている。経済的な負担も課題になり、今後、さらに問題になっていくのでは」とも。
登録団員数の減少を指摘する一方で、鹿内さんはスポーツ少年団の登録団が9団体しか減少していないことにも着目する。「スポーツをする子どもたちにはできる人と、できない人もしくは過疎化によって環境的にやれない人の二極化が進んでいる。スポーツ少年団では試合に勝つことを優先する傾向にあるため、スポーツの楽しさを教えるべき低学年にも厳しい指導をし、脱落する子どもたちも増えている」と話す。
課題に対して、鹿内さんは「地域によるスポーツ少年団が必要」と提案する。「同じ学区の中でも独立したスポーツ少年団がそれぞれで活動をしていたりする。それらをまとめ長いスパンで子どもたちを支えることができるような『地域のリーダー』が必要になってくる」とも。