ヒロロスクエア(弘前市駅前町)で11月16日、囲碁の第41期天元戦第2局の大盤解説会が開催された。
指導碁に参加した人からは「プロ棋士を相手に打つと一手一手が震えそうになる」と話す人も
市内で唯一の碁会所「山道町囲碁クラブ」が主催する同イベント。解説はプロ棋士二段で台湾出身・弘前在住の古川こんゆさん。解説会は9月に行われた第40期名人戦第3局に続き2度目となる。
同クラブ席亭の秋元弘一さんは「弘前にプロ棋士が住んでいるというのは囲碁ファン以外にはあまり知られていない。囲碁との距離を一般の市民に身近なものに感じてもらうことも、ヒロロを選んだ目的の一つ」と話す。
古川さんは、夫で青森県名誉王座など複数のタイトルを持つ元さん(アマチュア六段)と共に市内外で囲碁の普及活動に励んでいる。毎週土曜日には、子ども向けの囲碁教室を開催している。同解説会について、「公式の解説会ではなく民間の碁会所が行うというのは県内では初の事例。貴重な機会」と話す。
当日は12人の囲碁ファンが会場に集まり、古川さんらの解説を聞き入った。対局は挑戦者の井山祐太四冠が半目差で高尾紳路天元に勝った。古川さんは「限られた時間で一手ごとに最善手を争う緊迫した展開となり、解説も最後まで気を抜けなかった」と振り返る。
参加者には五所川原市や野辺地町から訪れた人たちの姿も見られ、星加百江さんは「長年弘前で囲碁をたしなんできたが、こういうイベントをもっと行い、囲碁を盛り上げてほしい」と話す。終局後は古川さん夫妻が、参加者たちを相手に指導碁を打つなどの交流も行われた。