弘前公園(弘前市下白銀町)で9月20日、曳家(ひきや)体験イベント「曳屋ウィーク」が行われ、参加者たちが人力で弘前城天守を引っ張った。
4本の綱で重さ約400トンの弘前城天守を動かす。弘前市のゆるキャラ・たか丸くんもヘルメットをかぶり参加
弘前城は現存する全国12天守のうちの1つで、最北に位置する。3重3階層で高さは14.4メートル、総重量は約400トン。弘前城天守下にある石垣が外側に膨らみ崩落する危険があるとして、天守をそのまま曳家して修理を行うことになった。
曳家による工事は100年に一度と言われ、8月16日に油圧式ジャッキで天守台から切り離れた弘前城天守は、同28日からレールや台車などを使って動かし、最終的には3カ月をかけて北西74メートルの場所に移す。
「曳屋ウィーク」では弘前市のふるさと納税を納めた「弘前城一口城主」を中心に公募で集まった市民や観光客らが参加。1度に100人が参加し、天守に結び付けられた4本の綱を声を掛け合いながら引っ張った。青森県田舎館(いなかだて)村から祖母と一緒に参加した小学3年生の阿保杏佳さんは「動いた感覚はわからなかったけどうれしかった」と喜びを語っていた。第1回目の曳家では15センチ動いたという。
曳家体験は27日まで。期間中は毎日10時、11時、14時、15時の1日4回行う。