ギャラリー森山(弘前市樹木)で8月12日、「ゆうれい展」が開催された。
弘前市や黒石市の寺院などから借りた幽霊画を約35点展示する同展。今年で11回目の開催となり、さまざまな幽霊画のほか、ねぷた絵や版画絵、人形といった作品をあわせて60点ほど展示する。
「約30年前に弘前で活動していた『おばけを守る会』の活動を再現して行われている」と同館館長の森山豊さん。「会を設立した頃、日本ではおばけよりも怖い事件などが起きていた。そこで、おばけもゆっくり出られるような環境にしたいというような思いから活動が始まった。現在は雛人形を飾るように、『絵を遊ばせる』意味でも幽霊画を毎年お盆の時期に展示している」と解説する。
同展では、明治時代に「妖怪博士」と呼ばれた井上円了(えんりょう)博士によって描かれた幽霊画や、テレビの生放送中に「閉じているはずの目が開いた」と話題になったことで知られる渡邊金三郎の幽霊画が毎年注目を集めている。
他にも同市で「ねぷた和尚」の愛称で親しまれたねぷた絵師、長谷川達温さんや川村麗巴(れいは)さんの描く幽霊画や、こけし工人・笹森淳一さんによって作られた河童などの人形、「おばけを守る会」を発足させた弘前出身の詩人・蘭繁之の豆本もあわせて展示する。
入館時間は10時~18時。入館料(供養料)は大人500円、小中学生300円。8月21日まで。