弘前市にあるエスニック居酒屋「弦や」が5月8日、地元食材を使ったご当地グリーンカレーレシピコンテストの最優秀賞の表彰状を受け取った。
WACCA IKEBUKURO(東京都豊島区)で4月19日に開催された同コンテストでは、全国35レシピの中から一次審査を通過した9レシピを、イベント参加者が実食し投票によって各賞を決めた。「弦や」が考案した「清水森ナンバ グリーンカレー」は、2位と倍近い投票数を得て最優秀賞を獲得。初代日本一のご当地グリーンカレーに選ばれた。
「清水森ナンバはグリーンカレーの奥深い味をそのままに辛さを少し抑える素材」と話すのは同居酒屋の坂本美弦さん。カレーペーストそのものを地元の唐辛子で作っているというのは、国内でも珍しいという。清水森ナンバとは約400年前に京都から持ち込まれ広まったと伝えられる唐辛子。同市の清水森地区は唐辛子の栽培が盛んだった場所で、津軽における唐辛子の呼び名が「ナンバ」であったことが名前の由来となる。
坂本さんは自家栽培レモングラスを加え、メーンの具材に青森県西北海岸から捕れるヤリイカと弘前産椎茸の「軸」をグリーンカレーに使った。軸であればカレーの色にも出ないことにひらめき、レシピが固まったと振り返る。
表彰状を受け取り「県産の具材を使ったレシピが評価されたことがうれしい」と笑顔を見せる坂本さん。表彰状を授与するため、同市を訪れていた主催団体NPO法人「ヤム!ヤム!ソウルスープキッチン」(東京都)代表理事の西田誠治さんは、「今回選ばれたレシピは、タイ国で開催する食のイベントなどでも提供する方向で現地企業との協議している。当コンテストの今後の広がりや、日本各地の食材に新たな発信力として続けていきたい」と話す。
来年には第2回目の開催が決定している。