
弘前公園の西堀にある「桜のトンネル」に咲く1本のサクラ「関山(かんざん)」が現在、見頃を迎えている。
52品種約2600本のサクラが咲く同園。ソメイヨシノはすでに葉桜となっているが、四の丸やピクニック広場などにある遅咲きのサクラ「関山」「普賢象(ふげんぞう)」は開花の見頃を迎え、訪れる人の目を楽しませている。
「桜のトンネル」に咲く1本の関山は、散策路約360メートルにある約110本のソメイヨシノの中に植えられている。公園のサクラを管理する「桜守(さくらもり)」の海老名雄次さんによると、古いサクラであることは間違いないが、資料がないため植樹の由来は分からないという。
海老名さんは「弘前公園には300年以上前、京都・嵐山から持ち帰ったサクラが25本あるという資料が残っている。その1本という通説はあるが、証明できるものはなく、仮にその1本だとすれば園内では最古のサクラになる」と話す。
「散歩中に(桜のトンネルの関山を)偶然見つけた」という20代女性は「ソメイヨシノが満開の時は何度も訪れたが、葉桜の中で咲くサクラは初めて見た。誰が植えたのか分からないのは歴史ロマンを感じる」と話す。
弘前市公園緑地課によると、関山の見頃は5月15日ころまで続く見込みという。