
昭和初期の弘前の写真を3月10日、新潟の古物販売店「結銀舎(ゆうぎんしゃ)」がXに投稿した。
結銀舎が投稿した写真は、弘前市土手町にあった「永井準助薬店」の値札が貼られたフィルム缶に入っていた現像済みフィルムをプリントした物。弘前城天守や弘前駅の2代目駅舎、弘前市公会堂のほか風景や人物が写る写真が複数枚あった。
結銀舎の店主・由井創さんは「昔は薬局でカメラのフィルムや現像液を売っていたと聞く。昭和10年が消費期限のフィルム缶に入っていたため、昭和一桁の風景写真の可能性が高い」と話す。
オールドカメラやビンテージオーディオなどを取り扱う由井さんによると、仕入れた古物の中にフィルムや写真が入っていることは多くあり、ドイツから仕入れたカメラの中には東ドイツ時代の街並みを撮影したフィルムが残っていたこともあったという。
由井さんは「フィルム缶はすでに売り切れ、中に入っていたフィルムだけが残ってしまった。やり場に困っていたところ、何か価値があるかもしれないと常連客がほこりやカビなどを取り除きプリントしてくれた」と話す。
複数枚あった写真の中から、由井さんはスキャンしてデータ化した物をXで投稿した。3月12日現在、2000以上のリポストがあり、建物や場所を特定するような投稿も中にはある。「昔のことに詳しい人はたくさんいると思い、多くの人に見てもらおうと投稿した」と由井さん。「写っている青年や子どもたちの屈託のない表情は、今の時代にはない。引かれるものがある」とも。