松緑酒造(弘前市駒越町、TEL 0172-34-2233)が8月5日に直売所を新設して1カ月がたつ。
江戸時代に酒母(しゅぼ)を酒造家に販売した酒蔵で、1904(明治37)年に日本酒製造業に事業転換した同酒造。2017(平成29)年には杜氏の高齢化、後継者不足などの課題からシンガポールの「Chatered(チャータード) Group」の傘下に入り、2019年に東京から来た千田祐理子さんが社長に就任した。
直売所は、弘前市の「趣のある建物」に選ばれた、江戸時代後期の屋敷の奥座敷だった場所を改装した。欄間や梁(はり)は残し、入り口を道路沿いに新設。樹齢300~400年の松が18本ある中庭が見られるよう、縁側部分にテーブルや椅子を置き、コーヒーなどを提供できるようにカフェスペースとしての機能を加えた。
千田さんは「ネット通販は行っていたが、直売所が今までなかった。日本酒を買いに来てもらうだけでなく、今まで一般には公開していなかった日本庭園を見てもらえるようにするなど、気軽に足を運んでもらえるようにした」と話す。
直売所では、看板商品の日本酒「松緑」「六根(ろっこん)」「刑事(デカ)」のほか、りんごリキュールやオリジナル前掛け、Tシャツなどの雑貨類、酒蔵限定商品なども販売する。
直売所は8月1日にプレオープンし、SNSで告知を行ったところ、弘前ねぷたまつり期間中だったこともあり、帰省客なども訪れたという。千田さんは「当店を訪れ、日本酒を好きになってくれる人が増えてくれたら」と期待を寄せる。
営業時間は10時~16時。土曜、日曜、祝日定休。