弘前にある橋の親柱が現在、「青森県の形にもリンゴにも見られる」とX(旧ツイッター)で話題を集めている。
話題を集めているのは石川地区にある御幸橋(みゆきばし)。欄干(らんかん)の両端にある親柱に青森県の形ともリンゴ型とも捉えることができるオブジェが設置してあり、アカウント「道民の人」さんが6月20日、「津軽平野で『青森県』にも『リンゴ』にも見えるデザインの欄干見かけたんだけど、これ作った人天才やろ(原文ママ)」とXに投稿した。
6月26日現在、1万以上のリポストと10万以上のいいねが付いており、「青森の特産品を生かしつつ、県のPRにもなる一石二鳥のアイデア」「気づいた人もすごいし、こんな地味な所にこだわりを入れた製作者もすごい」(以上、原文ママ)とのとコメントが寄せられている。
1983(昭和58)年度に完成した御幸橋を管理する青森県中南地域整備部道路施設課によると、同橋の完成図面には親柱の工作物の記載がなく、他機関からの要望などに関する資料も残ってないことから、作られた経緯は分からないという。
建設コンサルタント会社「キタコン」(弘前市宮川1)スタッフの「橋おやじ博士」こと藤田弘昭さんは「現在では作られなくなってしまったが、青森県内各地では平成初期まで、親柱に特産品の観光資源などをモチーフにしたオブジェが作られていた」と話す。
藤田さんによると、弘前周辺にはねぷた絵の灯ろうやリンゴのオブジェを乗せた親柱などがあるという。「管理維持が難しいため、地域色のある親柱は少なくなってしまったが、人が作った橋にはさまざまな遊び心やこだわりがある。橋に興味を持ってもらえるきっかけになれば」と笑顔を見せる。