青森県が9月26日、「ツキノワグマ出没注意報」を発表した。
県の発表によると、今年のクマの出没件数は9月25日時点で480件とすでに例年と同数になっており、今後母グマが子グマの餌を求めて行動範囲を広げる恐れがあるという。県内では本年度、クマによる人身被害が6件あり、その内5件が津軽地方で発生している。
今年、園地のリンゴをクマに食べられたという東目屋地区のリンゴ農家・米沢和哉さんは「今までにないほどのクマが、昼夜問わず現れる。リンゴの収穫時期になるのにクマ対策の作業ばかりしている」と話す。
8月下旬に園地にカメラを設置したところ、9月中旬あたりから連日クマの姿が映るようになった。「今年はすでに3頭もクマを仕留めたが、クマの出没がまだある。他のエリアの出没情報をよく聞く。リンゴの作業も本格化していく中で、安心できない」とも。
県ではウェブサイトに注意喚起するページを用意し、出没対応マニュアルや被害防止のためのリーフレットなどを無料で公開している。自然保護課自然環境グループの担当者は「津軽地方ではこれからリンゴなどの収穫のシーズンとなる。収穫物は放置せずに、なるべく倉庫などに保管してほしい」と呼びかける。