アークリンク(東京都渋谷区)の社員らが1月16日、東京から弘前市を訪れ、同市内で運営する駐車場「パークステーションの除雪作業を行った。
同社は東京や大阪を中心に全国1000カ所以上で駐車場事業を展開している。弘前市には2013年12月から参入。昨年秋ごろには駐車場を7カ所まで増設したが、豪雪地帯での本格的な運営は初めてという。社長の矢作和幸さんは「過去に豪雪エリアで営業したことはあったが、積雪の季節は閉鎖していた」と話し、本格参入への苦労を明かす。
矢作さんと社員6人は7時30分から雪かきをスタート。前日は18時まで続け、「夕食を食べた後はすぐに寝ていた」と笑う。ほぼ全員、雪かきの経験はなく、東京都内近郊の出身者が多いため作業はなかなか進まない。道具を買いそろえ、重機はレンタルした。現地スタッフは1週間前から雪かきを始めていたが、「毎日このような雪かきがあると大変」と口数は少なかった。取締役本部長の岡田良太さんは「あまりの寒さに着るものはこちらでそろえたが、雪かきは汗をかく。中に着込む汗を吸う服も買わないといけない」と話す。
都内から除雪に訪れた理由について、矢作さんは「外注コストが抑えられるだけでなく、社員自らが雪かきを知ることで、今後の必要性を考えるのに意味がある」と話す。同社はアグリ事業も手掛けており、社員は重機の免許を取得している。重機による冬場の作業を効率化させるため、除雪のノウハウを蓄積し、今後はビジネス化も視野に入れていると話す。
「除雪困難世帯などに個別対応できるようなサービスができれば」と矢作さん。2日間の弘前滞在では雪かき作業を中心に行い、東京へ戻った。