弘前のデザイン会社「赤石弘幸デザイン事務所」が2月3日、「弘前城ペーパークラフト」を発売した。
55個のパーツで組み立てる完成品の高さは15センチで、実物の約90分の1の大きさになる弘前城天守をモデルにした同商品。
弘前城は東北で唯一現存する天守を持つ国指定重要文化財。三重三階の独立天守で、白しっくい塗りや銅瓦の切妻屋根が特徴。現在、本丸の石垣修理に伴い、本来の位置から70メートルほど本丸中央に移動している。
「赤石弘幸デザイン事務所」社長の赤石弘幸さんによると、商品にリアリティーを追求したため、開発には10カ月を要したという。4方向から写真を撮影し、外周は歩測、内部は腕や手指で測り、実際に目で見て構造の理解に努めた。ペーパークラフトはのりを可能な限り使わない設計でスリットにツメを差し込む構造にした。
「のりで接着させる場合、紙がふやけてしまったり作り方によってはズレが生じたりするため、商品の魅力が損なわれてしまう」と赤石さん。「屋根部分の組み立て方には苦労し、アイデアが生まれるまで時間をかけた」とも。
完成した商品は弘前出身で在ブラジル青森県人会副会長のコッペデひろみさんに送ったという。赤石さんは「弘前城のペーパークラフトを欲しがっているブラジル人がいたので作ってくれませんか?と、ひろみさんからの依頼が始まりだった。ブラジルには日本好きが多く、城や神社に関心が高いと聞く」と話す。
「完成商品を見た人の多くは屋根の色が緑でないことを指摘する」と赤石さん。「弘前城の屋根の緑は銅がさびている色。個人的には建立当初の美しさを表現したかった。観光客には弘前のお土産に、地元の人たちには自宅に弘前城を飾れるインテリアになれば」と笑顔を見せる。
価格は1,980円。弘前公園内にある「弘前城情報館」内ショップで販売している。