「モホドリ蒸溜(じょうりゅう)研究所」(TEL 0173-23-5805)が10月1日、青森・五所川原にオープンした。
青森県産リンゴを使ったアップルブランデーを蒸留する同施設。蒸留所に試飲などができる店舗スペースを併設する。モホドリは津軽弁で「フクロウ」の意味。フクロウは獣害からリンゴを守ることから、「リンゴ産業を守るフクロウのような存在になりたい」との意味を込めた。
運営会社は「サンアップル醸造ジャパン」(つがる市)。農家で社長の木村愼一さんが2005(平成17)年に設立した。当初、リンゴ酒(カルバドス)製造のため国税局に醸造免許を申請したが、いったん断念。醸造免許は2021年3月に取得し、今回の開業に至った。店舗担当者の山口真未さんは「アップルブランデーは社長が30年前に視察したヨーロッパで薦められた加工品で、それ以来の念願のプロジェクトだった」と話す。
工場面積は150平方メートル。ドイツのアーノルドホルスタイン社製の蒸留釜を2基設置し、併設する店舗スペースから工場内を見ることができる。店舗スペースにはカウンター席を設け、コーヒーやリンゴジュース、オリジナルカクテルを提供するほか、店内でオリジナル商品の販売も行う。
蒸留はリンゴの風味を残すため、リンゴを砕き発酵させたマッシュを使う。山口さんによると、ドイツではよく使われる蒸留法だが、日本では珍しいという。看板商品「ラブヴァドス アップルブランデー」の醸造には世界遺産白神山地で採取した酵母「白神酵母No.251」と、岩木山の湧き水を使う。価格は、500ミリリットル瓶=2,860円、180ミリリットル瓶=1,518円。
10月25日にはネット販売を本格始動した。青森県内のスーパーマーケットでもアップルブランデーの販売をすでに開始している。今後はスピリッツやジンといった酒類が製造できる免許の取得や、工場内を解説付きで見学するツアーの受け入れも検討しているという。開業から1カ月がたち、山口さんは「これからが勝負。今までの来店は支えてくれた人や知り合いが多かった。少しずつ遠方からの来店者も増えており、アップルブランデーの魅力を伝えていければ」と意気込む。
営業時間は11時~19時。月曜定休。