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閉校する黒石商業高校、「保管作品を返却します」卒業生に呼び掛け

卒業生の作品を並べ、返却を呼び掛けるポスター

卒業生の作品を並べ、返却を呼び掛けるポスター

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 黒石商業高校(青森県黒石市)情報デザイン科(旧・商業デザイン科)が現在、同校保管作品の返却を制作した卒業生に向け呼び掛けている。

10月1日から黒石駅に展示する

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 卒業生に返却する作品はB1サイズのポスター約600点。1回生から10回生の作品が多く、生徒によっては複数枚残っているという。担当教諭の柾木富美子さんは「制作の見本として在校生向けに学校が預かっていた物では」と話す。

 1973(昭和48)年の創立当初からある同科は、「商業デザイン」を学ぶ科として国内4番目に設置されたという。2022年3月に県立高校再編計画によって黒石高校と合併する形で閉校が決まっている。

 卒業生作品は閉校に伴う教室整理で見つかった。「改めて拝見すると、製図、彩色も全て手作業で、作品から緊張感や自由な感覚が伝わってくる。パソコンに頼っている今の子どもたちにはないレベルの高さを感じる」と柾木さん。「一枚一枚チェックしたが、私と同じように自分たちには書けないと現生徒たちも感動を覚えていた」とも。

 作品の返却は、氏名や卒業年などの情報をメールもしくはファクスで同校に送った後、学校側で作品の有無を確認する。返却は郵送もしくは来校して受け取ることもできる。10月1日からは「弘前鉄道文化祭」と連携し、作品を黒石駅構内と弘南線の列車内に展示も予定する。

 柾木さんは「現在50代後半以上の世代が描いた作品。青森県内というより県外に出てしまっているケースが多く、ほとんど連絡が取れない。良い状態のまま残っているので、できれば閉校する前に描いた本人やその家族に返したい」と話す。

 返却申し込みは2022年2月まで受け付ける。

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