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弘前の競馬バーが10周年 コロナ禍でも営業続ける

10周年を迎えた「K BAR」の上原宏治さん

10周年を迎えた「K BAR」の上原宏治さん

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 弘前の繁華街・鍜冶町にある競馬バー「K BAR」(TEL 090-7932-0991)が5月24日、オープン10周年を迎えた。

テークアウト用に開発した「フルーツサンド」

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 競馬を中心に野球やプロレスなど「自分の好きなものを並べた店」をコンセプトにバーテンダーの上原宏治さんがオープンした同店。上原さんはアルコールが飲めない甘党で、近年はパフェやフルーツサンドなどを手掛け、女性客にも人気がある。

 上原さんは鶴田出身。大学卒業後に弘前シティホテル(現・アートホテル弘前シティ)に就職し、レストランの給仕を担当していたが、バーテンダーに異動したことをきっかけにカクテルに力を入れ始める。「バーカウンター越しに酒を提供すると、お客さまの反応がすぐに分かるだけでなく、直接コミュニケーションもできる。今までにないやりがいを見つけた」と上原さん。

 青森県外で働いたこともあったが、独立を決めたのは2011(平成23)年3月。東日本大震災の直前だった。すでに開店の準備は進めていたため不安はあったが、被災後の間もない中で広さ6坪のバーで独立。上原さんは「おかげさまで、今までのお客さまから応援してもらい出店はできた」と話す。

 当初、上原さんにとって鍜冶町は怖い印象があったが、営業を始めるとみんな優しい人ばかりだったと振り返る。2015(平成27)年ころからパフェを提供するようになり、女性の集客に成功し、イベントなどにも出店。上原さんの趣味以外で立ち寄る客も現れ始め、常連客が寄贈した物が店に増えていった。

 昨年から感染拡大した新型コロナウイルスの影響は想定外で、上原さんによると過去に例を見ないほど鍜冶町には人の姿がなくなったという。自粛ムードは長引く中、売り上げも低迷。上原さんはテークアウト需要を見込み、持ち運びができるフルーツサンドを開発。最近では、イタリア・ローマの伝統パン菓子「マリトッツォ」も提供を始め、新商品の開発にさらに力を入れている。

 常連客向けに提供していた「ドリンクチケット」は「先払いできるチケット」として応援してくれる購入客が増え始めた。中には東京からの購入客もいるという。上原さんは「チケット自体は3,000円。コロナ後に飲み倒したいと多く買ってくれる人もいる。励みになりありがたい」と感謝する。

 「新型コロナウイルスの先行きが見えない中、早く安心できる社会になってほしい」と願う上原さんは「振り返るにはまだ早い10年。店はこれからも続けていきたいので、もう少しがんばってみたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は20時~翌2時。

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