「現地の人しか読めない」と話題を集める津軽弁の交通安全標語看板の新作4枚が5月23日、お披露目された。
津軽弁で書かれた交通安全標語は、青森県交通安全協会・和徳支部が弘前市立城東小学校(弘前市大久保西田)の6年生に「交通安全思いやり俳句」を依頼したことで始まった取り組み。代表作「うぬうぬど けんどわだれば ひがれるろ」は、「(県外人に理解は)難しい」「現地の人しか読めない」とメディアで紹介され、現在でも殿堂作品として同学区に残されている。
標語は毎年同校6年生の宿題で、今年は2クラス42人から4作品が選ばれた。原田利昭支部長は「地域や交通安全を考える特別活動の一環として始め、2018(平成30)年から津軽弁を入れてもらうようにした。標準語より身近な言葉があることで交通安全に関心を持ってほしかったため」と話す。
今年の4標語は次の通り。「ゆったどや 急いで事故ても なもなねべ(ゆっくりと行きなさい、急いで事故になっても何もならない)」「青でもや スマホばちょして わだねでけ(青信号でもスマホを触りながら渡るのはやめてほしい)」「わんつかの 心のゆるみが 大事故に(ちょっとした心の緩みが大事故になる)」「点めつで 走ってわだれば まいねっきゃ(横断前に信号が点滅したら走って渡るのではなく待つ)」。
看板は同校の運動会の日に合わせ、校門脇の歩道沿いに設置。1年間設置した後は、同学区内に置きなおす。現在、学区内には54枚が設置してあり、古くなったものから撤去していくが、今年は入れ替えがなく、昨年の作品4枚を撫牛子児童公園近くに設置した。「同公園付近では過去に接触事故があった。ドライバーの注意喚起のために設置場所に選んだ」と原田さん。
今年の作品について、原田さんは「個人的には『歩きスマホ』を注意する標語がお気に入りだが、今年も力作ぞろい」と話す。「地区内の評判は良く、県外からも問い合わせが増えている。コロナ禍で少しでも明るい話題になれば」とも。