弘前のダンス&ボーカルユニット「RINGOMUSUME(りんご娘)」が4月17日、リンゴ農園地「りんご娘スマイルファーム」を開設し、リンゴ栽培に挑戦する。
青森の情報発信や農業活性化を目的とした同ユニット。活動するメンバーの名前はリンゴの品種名。昨年で結成20年目を迎え、現在は7期生でリーダーの王林(おうりん)さん、6期生のときさん、8期生のジョナゴールドさんと彩香(さいか)さんの4人で活動する。全員青森在住で、ジョナゴールドさんと彩香さんは青森県内の大学に通う。
20年間の活動の中で、農作業の手伝いはあったが農地を持って栽培に取り組むのは初めてと話すのは、所属する「リンゴミュージック」社長の樋川新一さん。昨年は新型コロナウイルスの影響でライブ活動やイベント出演の仕事がなくなり、オンライン活動やユーチューブ配信などに力を入れるようになっていたという。
「『芸能活動を通じてもっとリンゴを発信してほしい』といった生産者の声を聞き、コロナ禍で何ができるかを考え、りんご娘たちの活動の原点でもある『半農半芸』に立ち返ろうと決めた」と樋川さん。メンバー自らがリンゴを育てるプロジェクトを立ち上げ、青森県りんご協会にも入会した。
農園では、メンバーの品種4種各50本とふじを高密植栽培で育てる。樋川さんによると、高密植栽培は、世界的に取り組まれている栽培方法の一つで、収穫量が多い上、手入れが容易であることから新規就農者に向いているとされている。
樋川さんは「イニシャルコストがかかるデメリットはあるため、青森の農家の間では根付いていなかったが、早期多収が見込める上、アイドルでもリンゴ栽培ができることを証明できれば、昨今の後継者不足にもつながるのでは」と話す。
同日、りんご娘4人のほか、ライスボール、アルプスおとめ、練習生リーフのメンバーが植樹やトレリス(樹を支える支柱)に苗木を結びつける結束作業を行った。作業を終えたジョナゴールドさんは「多くの人たちの協力を得て、ようやくスタート地点に立てたことに感謝したい。私たちの活動が、リンゴ産業の活性化の一助になれば」と意欲を見せる。「大学の卒業論文にしようかと悩んでもいる」とも。
今後の作業はユーチューブなどで配信する。1年目は収穫が見込めないため、出荷は来年以降を予定している。